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ある村に5歳になる女の子が住んでいました。
それはそれは大変美しく可憐で、透き通るような白い肌にウルフアイズ。栗色の髪を腰まで伸ばしていて、おとぎ話に出てくるお姫様のような子でした。
しかし彼女はそんな美しい容姿を持ちながら、村の人から毎日迫害を受け続けたのです。理由は簡単でした。食器に乗ったチキンを浮かせてしまったからです。この村では物を浮かせる者を魔女と呼びました。

昔この村では10歳の女の子が魔法を使った罰として迫害を受け牢屋で死去しています。そんな恐ろしい村だったのです。


そんな能力を持っていましたから、村の人はおろか、両親にまで「気持ちが悪い」「悪魔の再来」と虐げられ、幼いにも関わらず、食べ物をろくに与えられず、腰まで伸ばしていた毛は、「魔女の髪の毛」と言われて切られ燃やされました。彼女は村から逃げようと、ふらふらになった足取りで歩みましたが、道の途中で力尽きてしまいついに倒れてしまいました。


「大丈夫かしら?」


そんな彼女にそっと手を差し出したのは、優しい顔をした女の人でした。歳をとっているけど、気品のある顔立ちの女の人はニコリと笑います。


「…あなたも私を虐めますか?」

「いいえ、虐めませんよ。私はイゾベル・マクゴナガル。魔女なの」

「…私と同じ」


そう言った彼女はニコリと笑いながら気を失いました。イゾベル・マクゴナガルは彼女を抱きとめ、そこから姿を眩ませました。


オブスキュラスにならなくて良かったと、そっと胸を撫でながら…ー。





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