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「お前さんとロデオはよく似ておる。特に瞳が。さしずめ奴の娘か何かだろ」



バチルダは的確にレディーとロデオの関係を当てた。ロデオも自分と同じようにこの場所までたどり着いたのだ。そして死の秘宝を追ううちにバチルダと出会い、この日記の開け方を知ったのだろう。
それにしても疑問なのは、なぜロデオがダンブルドアにこの日記を預けたかだ、顎に手を当て考えるが、なかなかいい答えが出てこない。


すると突然バチルダが立ち上がった。眉をよせ窓を見つめている。レディーとドラコはそんなバチルダの様子を不思議に思い、同じように立ち上がった。



「あの…バチルダさん?」

「逃げろ」

「え?」

「闇のものが近づいている。逃げるんじゃ!!」



ドラコは冷静だった。レディーの手を掴み、すぐさま姿くらましをしてその場から逃げた。

残されたバチルダは窓を閉め、ゆっくりと入ってきた闇の者に挨拶を交わした。



「この老いぼれに何の用じゃヴォルデモート」

「ここに、二週間後ハリーポッターが現れる。予言がそう教えている。貴様はこのナギニの屍として、ハリーポッターをお引きよさせてもらうぞ」

「…二週間後、クリスマスの夜にか?」

「その通りだ。そういえばお前はゲラート・グリンデルバルトの大叔母だったな。殺しておくにはふさわしい奴だ」

「ゲラートの魂はまだ生きておる」

「あぁ、やつはまだヌルメンガードに投獄されていたな。今度会いに行ってやろう」



バチルダは微笑んだ。ヴォルデモートは知らない。バチルダが言った本当の意味を。
ヴォルデモートは杖を振り上げ、死の呪文を放った。緑色の閃光がバチルダに降りかかる。

ヴォルデモートは笑い声をあげたまま、ナギニを残しその場から姿を消した。



---


ヒュンと独特な音をさせ、レディーとドラコはとある場所に姿を現していた。突然の出来事にレディーは膝をつき、その場に安心したのか、ため息をついている。



「なぜ屋敷でなくここへ?」

「知識を得るにはここが一番だろ。まだ日記の謎は解けていない」

「バチルダさん大丈夫かしら…」

「わからない…が、闇の者はおそらく…」

「え?」

「いや、なんでもない」



現れた場所はランペル家。そう、ルーファスの家だ。二階の廊下に姿を現した二人は、ルーファスがいないか屋敷を歩んだ。
するとペタペタと足音。おそらく屋敷しもべのカロンだろう。レディーはその足音まで走り声を出した。


「カロン!」

「お、お嬢様!ドラコ様まで」


カロンはそれはもう驚いていた。レディーならまだしも死喰い人の仲間であるドラコが一緒だとは思わなかったからだ。
色々あったの。といいながらレディーは微笑んだ。


「ルーファスさんはいないのか?」

「はいドラコ様、もう少しで帰ってきますよ」


一階からリーンというベル音が響いた。ルーファスがタイミングよく帰ってきたのだ。それにしてもこんな夜遅くまでよく仕事をするものだ。魔法省は仕事をさせすぎだと思う。
レディーは腰に手を当て時計を見た。もう20時を指そうとしている。



「ただいまカロン…ってレディー!!!お前生きてて!?」



ルーファスがレディーへと駆け寄り思い切り抱きしめた。レディーは突然のハグに「うぎゅ」とわけのわからない声を出しルーファスに潰された。
そうだ、私は魔法省で人さらいに誘拐されたのだ。ルーファスは魔法省の人間だからそんな情報すぐに回ってくるだろう。


「生きててよかったレディー!!それにしてもどうやって人さらいから?」

「ドラコのおかげよ」


レディーが親指でドラコを指差した。ルーファスは「はい?」と言いながらぎこちなく首を動かし、ドラコを見つめた。
それはもう凄い叫び声だった。レディーを見つけた時よりも何倍も驚き、その勢いでレディーを突き放した。


「痛いわよルーファス!」

「な、なぜドラコが!?」

「お久しぶりですルーファスさん。話せば長いんですが」


ルーファスは頭が痛いと言いながらカバンを持ち、とりあえずソファーのある部屋へ行こうと足を進めた。レディーとドラコは互いの顔を見合い、そんなルーファスの様子を見て笑っていた。



---


「…なるほどね」

「もう怒らないでよルーファス。私これでも必死なの」



ルーファスがレディーを睨んだ。もう養子でもなんでもないが、レディーはルーファスの元妹だ。心配しないほうがおかしい。後でお説教9時間コースだ。と言いながらカロンがいれた紅茶を飲んだ。



「レディーだけじゃなくドラコも無事でよかった。さすがレディーの王子様だね」

「すみません。レディーが人さらいにさらわれてきて直ぐにルーファスさんの所へ連れて行こうとしたんですが…」

「いや、こうして2人が会えたんだ。レディーもそっちの方が良かったと思うよ」



今度はルーファスが微笑んでいた。本当に優しい人だと思う。いつだって2人のことを優先してくれるのだ。だからいつまでも甘えてしまう。
そんなルーファスが突然顔色を変えた。レディーの持っている日記が開いていることに驚いたのだ。



「レディー…日記開いたのか?」

「そう!そうなのよルーファス!」

「中は読んだか?」

「これからよ」

「読んでくれないか?」



レディーは頷いた。ついに日記の謎が解ける。四年生の最後に見たあの夢で言っていたあの日記。私の過去を知る鍵がここに書かれている。

レディーは緊張する手で日記をめくった。
初めのページにはこう書かれていた。



秘密の日記

クラリス・ハウエル


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