気に入ってもらえてうれしいです
「俺、長太郎のしっぽ好きだよ、ふわふわしてて」
木陰に横になった犬耳の彼のしっぽを、ふわりと触る猫耳の彼
「ありがとうございます、気に入ってもらえてうれしいです」
ふわりと微笑む彼のしっぽは、嬉しそうに揺れていた
「長太郎!昼寝しない?」
学校の昼休みに、俺の教室にやって来たのは、先輩の名前さんで
「次の授業、サボるって事ですか?名前さん」
苦笑いして名前さんのところへ行きつつも、本当は誘って貰えてすごく嬉しかった
「またお気に入りの木陰ですか?」
「うん!長太郎は俺の抱きまくらだからな!」
「えー、酷いなぁ」
名前さんは、俺のふわりとしたしっぽや耳が好きらしい
自分はふわふわじゃないからと、よく触って貰える
役得だよな
俺的には、名前さんのさらさらとした毛並みが好きだ、と言うか
名前さんが、好き
お気に入りの木陰は何度か行った事がある為、名前さんと並んで歩いていれば
「長太郎、こっち!」
「っ…!え!?」
突然、手を引っ張られた
「この前近道見つけたんだ!」
にこりと微笑み、俺の手を引っ張って歩く名前さん
近道とか、今はそんなのどうでもいい
多分、今の俺の顔は、すごく赤いと思う
END
握られた手を、放したくない
(不意打ちですよ、その手)
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