ボスの大好きで大切な人
授業が終わり、お昼ご飯を食べようと彼のサボっているであろう場所へ向かうと
そこには、大きな黒猫が眠っていました
「ちーさん。もうお昼休みですよー。まだ寝てるのー?」
裏山の大きな木の下
そこは、野良猫達と彼の特等席
沢山の猫達に囲まれのんびりとくつろぎ眠る彼は
まるでここのボス猫だ
名前が声をかけると、眠っていたボス猫…もとい千歳はぱちりと目を開けた
「おサボり魔さん」
「昼寝ばしよっただけたい」
うねうねと曲がる髪の毛に手を差し込みくすりと微笑んだ名前は千歳をふわふわと撫でる
楽しそうな名前に、千歳は名前を見上げると優しく微笑んだ
「ん?何か引っ掛かる…?」
おとなしく撫でられていると、突然名前は手を止めた
千歳が不思議そうな顔をすると、名前は千歳の髪の毛から何かをつまみ上げた
「ボスに、猫からのお土産っちゃろ」
名前が取ったのは、ひっつきむし
どうやら寝ている間に猫達につけられたらしく、まだまだ髪の毛にくっついている
「よかったね、お土産大量だね」
くすくすと笑う名前に、千歳は名前の膝を枕にしてごろりと上向きに寝転んだ
「残りもとって」
片方の手を皿の様に持ち上げ名前を見上げる千歳
これは、取ったひっつきむしはこの手に乗せろという事だろう
「痛かよ、名前」
「ひっつきむしのせいです」
「痛かっちゃ、もっとゆっくり取らんね」
「まー!わがままさん!これが最大級のゆっくりです!」
「あいたたたた−…」
「もー、ちー静かに!授業サボった罰よ」
ころんころんと右手に増えていくひっつきむし
それと共に、二人の声は絶え間なく続く
「はい、最後」
最後のひとつを名前が取る頃には、暇つぶしに名前のふわふわの髪へくっつけたひっつきむしも増えていて
くすりと微笑んだ千歳はゆっくりと起き上がり
「さ、お弁当食べる?ちー…っ!」
起き上がった千歳は、名前の言葉を遮りそのまま名前の唇へ触れるだけのキスをした
「痛くした罰たい」
END
猫さん達サイドの会話
(あれは、ボスの女!)
(美人…)
(いい匂い…)
(すりすりしたい…)
((((けど、ボス怖い!!!)))
ボスはあの人と一緒にいると、コイツには近付くなオーラがギラギラ出てる
(ね、ちー。私、猫さんに嫌われてるのかな?全然近寄ってくれないの)
(…名前は俺だけ撫でとったらいいったい)
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