お前、それ、わざとか…?
幸村、今日は俺の命日かもしれねぇ…
がやがやと騒がしい調理室
ジャッカルと苗字のクラスは今日、調理実習だった
「名前、お前料理した事あるのか?」
「ない!」
じゃあ何故そんなに自信満々に包丁を握れるんだ、お前
何班かに分けられた班別の調理実習
ジャッカルは名前と同じ班になり
エプロンをした名前は、何故か自信満々だった
「じゃあ、始めて下さい」
しばらく先生の説明を聞き、料理が始まる
今日のメニューは、簡単なサラダとコロッケだ
「まずは、コロッケだな」
ジャッカルの班はカボチャコロッケを作る
プリントを見ながら進めようとするジャッカルに
名前はとりあえず言われた通りに包丁でカボチャを切り出した
「固いから、指気をつけろよ、名前」
「大丈夫大丈夫」
まあ、他の奴もいるし
自分は次の作業に取り掛かろうと、ジャッカルがプリントを見ていれば
「うわっ!ジャッカル!!!」
同じ班の奴の、焦った声が聞こえたかと思えば
包丁の刺さったカボチャが、ジャッカルの目の前を通りすぎ
カコンと壁に直撃する
「あ−…、悪いジャッカル、飛んでった」
お前、それ、わざとか…?
つか…
「殺す気か俺を!」
足元に転がるカボチャを拾い、水で洗えば
ごめんごめんと名前が苦笑いしている
「お前、もう包丁持つな」
洗い終わったカボチャは、名前にはもどらず
歎く名前を無視して、ジャッカルはカボチャを他の奴に任せた
END
(止めろ名前、お前は油にも近づくな!)
(も−、大丈夫だよジャッカル、コロッケをこの油の中にダイブさせればいいんだろ?)
(お前がやると火事になる!)
頼むから、おとなしく出来るのを待っていてくれ
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