魅せてほしい








"魅せてほしい 夢の続きまで 世界──。"















───♪



満月の下、吟が響き渡る。


森の木々や水も、共鳴するかの様に風に揺られた。


月に照らされた青年の姿は、幻想的で美しい。






真夜中、吟に吊られ森に足を踏み入れた少年が一人。


しっかりとした足取りで、月に導かれるように奥へ、奥へと足を進める。


次第に聞こえていた吟はハッキリとしたものになり、川の辺へと辿り着いた。






少年が目にしたのは







下半身が魚のような形をした








美しいバケモノ。








歌が終わり、閉じていた瞳を開く。





海のように青い瞳に映ったものは、人間の子供。


綺麗な顔に驚愕の色が浮かぶ。


対して、少年は無表情のまま時雨を見ていた。












「はじめまして。」























これが鬼神と人魚の出会いだった。



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