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今日は、前よりも良い朝の目覚めだった。
昨日の夜の出来事が脳裏に焼き付いて離れないけど…。
今日はちゃんと話してくれんのかな?
そんな不安に押し潰されそうになりながらも、また1日が始まる。



***



「え、ナマエいないんスか?」

「30分くらい前に街に出てったぞ」

「何だか嬉しそうだったよね、キャプテン」

「あぁ…」



ベポと船長はそう言って顔を見合わせる。もしかして、鍵か?
昨日鍵は見つかったから、早速直しに行ったのか。
納得していると、船長がニヤニヤした顔で見てくる。



「何ですか…」

「いやなぁ、進展あったのか?」

「仲直りはしましたけど」

「けど?」

「……や、それだけです」



そういうと、「つまらねぇな」と言って舌打ちする船長。
何なんだ一体。ベポまでそんな目で見てくるし。



「ま、俺も出かけてきますんで」

「遊びに行くだけか?」

「昨日見れなかった武器とか見てくるんですよ」

「ならいいが」



早めに帰って来いよ、とヒラヒラ手を振る船長に、俺は一礼して部屋から出てった。
昨日と同じように街に出て、目当ての武器屋巡りを一通りした。
あんまり良い武器も無かったから、適当に眺めて来たけど。
そう思ってたら、いつの間にか鍵屋の前へと来ていた。
すると、ナマエが「有難う御座いました」と言って店から出て来た。
やばっと思ったが時既に遅し。ナマエは少し驚いたような顔で俺を見てくる。
店屋の前で1対1の状態で無言で突っ立てる。傍から見りゃ迷惑だ。



『…シャチくん…』

「鍵…どうだった?」

『大丈夫だった! もう直ってちゃんと開くようにもなったし』



そういうナマエは嬉しそうに笑っていた。
その手にはしっかりペンダントが握られている。
俺はそれに安心したように笑った。
すると、ナマエがあっという声をあげた。
そして気まずそうに、口を開いた。



『あの…鍵、見つけてくれてありがとう…』

「え…あ…どう致しまして」

『昨日も謝ったけど…ほんとに…ごめんね』

「、…俺も悪かったし、もういいって」

『うん…』



本当、なんていうか背負いすぎるって言うか責任感が強すぎるって言うか…
ナマエのこーゆー所には困る。俺はハァ…と溜息をつく。



「だからさ、もういいから。お前責任感強すぎ。今回はお互い悪かったでいいじゃん」

『ん。あ、でも…お礼、させてくれないかな…?』

「お礼…?」

『見つけてくれたのは、シャチくんだし…』



ナマエがそう言って「お願い」と真剣な目で俺を見てくる。
少しドキッとしたのは何故だろう?



「まぁ、別にいいけどさ」



俺的に、その笑顔さえあれば別にいいんだよね。
そう思いながらも礼を受けることにした。



ありがとうの笑顔
(それは俺にとって一番のお礼)






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