掌編小説 | ナノ


▼第二十五夜 「声変わり」

そういや、下忍になってから久々にダチに会ったとき、こんなことがあった。

たまたま任務帰りにあったから、近くで団子でも買って、川原で少し話してたんだ。
進路が違ってると、お互い相手が何やってんのかなんてさっぱりでよ。
気がつくと日が暮れるまで話し込んでいた。

こうやってると昔に戻ったみたいだなァ…なんて言ってたら、ちょうどそいつの弟が通りかかった。
だけどダチを見るなりポカンとして、しばらく近づいてこようとしない。
匂いでいるのが分かってたから、お前もこっちにこいよって声かけたんだ。

昔はよく一緒に遊んでたから、遠慮する間柄でもねェ。
でもなかなか来ようとしない。
ダチがもう一度呼んだところで、ようやく来た。
けどやっぱりもじもじしている。
で、弟が言ったんだ。

兄ちゃん、その声どうしたの?

え、…と思った瞬間、ダチの声が急に低くなった。

――そうだ、そいつ、声変わりしてたんだった。

- 28 -

prev / next


back

[ back to top ]


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -