▼ 4.ヒコーキ雲 (1/13)
「あーそうそう、明日はオレたち修行だから、かわりにアスマ班に面倒見てもらってちょうだい」
カカシがそう言い出したのは、ある任務帰りのときだった。
この頃にはもう、すっかりアカデミーから足は遠のき、七班との行動ばかりが増えていた。
これまでもナルトたちが修行をする傍ら、ソラも読書などをして時間をつぶしていた。
それがどうして今回は他の班に行かされるのだろう。
「べつに、修行の邪魔なんかしませんよ?」
紅ならともかく、アスマという人物は病室で顔合わせをしただけだ。
どちらかといえば、子供だからと世話を焼くタイプではなさそうな印象だった。
初対面に近い人に放置されても気まずい。
出来ることならカカシと一緒にいたいと期待を込めて見上げるソラだったが、カカシは困ったようにナルトに視線を向けた。
「いや、そういうことじゃなくてね。ホラ…」
「ん、オレがどうかしたかってばよ?」
「明日の修行には手裏剣も使う予定だ。ナルトの悪投からソラを守れる自信がないわけ」
なるほど、今度の修行は武器を使うらしい。
今までの瞑想や組み手とは事情が違う。
「なっ!?オレのコントロールは完璧だってばよっ。ぜってーそんなヘマはしねぇ!ソラもそう思うだろ!?」
精一杯、自分のアピールをするナルトに、ソラは返した。
「うん、そうだよね…。じゃあ明日はアスマさんのところに行きますね」
そろそろ行動パターンを変えてみる、よい時期かもしれない。
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