涅槃(犬と百合)




さわさわ揺れる東の夏木立に我が物顔で座り込んで居る赤毛が目印だ。
女子生徒の群れが居ないか確認しつつ近付いて(奴等は禿鷹並に他人のゴシップに敏感だ)、肩を軽く叩いてやった彼に軽く眉根を寄せて苦笑する目は深い色。

「貴方も意外と暇なのね」
「俺だって疲れたりするんだよ」
「良いけど、私起こさないわよ」
「勝手に起きる」
「あら、この前まんまと遅刻なさったのは何処の誰かしら?」
「言ってろ」

ごろり転がって後ろ手に腕を組んで昼寝の臨戦態勢。今日位は起こしてあげようかなんて甘えた言葉を胸の中で紡ぐのはおかしいのだろうか。
草に広がる漆黒を撫でてあげたいと思っても、ページを捲る手は休まない。






涅槃=全ての煩悩を滅却した悟りの境地。煩悩を滅却すること。
(愛すべき色へ包まれる)



犬百合(読みにくい)ってか犬+百合?半端なく萌えを感じるのは私だけか。
もう一度言おう。
犬+百合は私、だけか。(真顔


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