朦朧(親と歴史教師)




まず無くなって来るのは足の力である。
縄でぐるぐる巻きにされるよりも、魔法で石にされるよりもきっとそれは何よりも確実に、そして柔らかい恐怖を緩やかに投げかけ乍、染みていく水の様に麻酔をかけて自由を難なく奪ってしまう。
頭は見えない力で次第に解き臥せられ、力を無くした腕には最早羽ペンを持って居る事など無意味で、黒の飛躍が舞う。
生乾きのインクが頬についてしまったが、それを拭う権利さえも奪われた自分達には成す術も、無い。
抑揚も無く文字の羅列を子守歌へと変える力は強力で、嗚呼、嗚呼、眠い。
最後に、見えたのは、カクンッと勢いをつけて落下して行く同寮の、眠い。
ふわふわふわふわ。ふわ、と。
しずかにすいまがほほをなぜて───









「…ビンズを兵器に出来たら、きっと戦争なんか無くなるぜ」
「うんそれ思う。戦場で講義とかやったら3分で敵も味方も爆睡だよ」
「眠れる獅子だね」
「リーマスうめぇ」

喋る前に手を動かしてくれないかしら?赤く染まった絶対零度の監督生の微笑みに悪寒を感じて、三人は慌ててノート写しを再開した。






朦朧=ぼやけてはっきりしない様。
(眠れよ可愛いお馬鹿さん)

ビンズ先生の授業を聞いたら五秒で寝れる自信はあります。歴史ダメww
睡魔召喚に定評のあるビロ。





[ → ]
[ 目次 ]
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -