1/3



※現パロ・ローはヒロインの担当医





「…お前、いい加減にしろよ。」


「なにが?」


「飯を食えってんだよ。」


「なんで。」


「…折角手術してやっても、飯食わねェで栄養不足になったら意味ねェだろ。」






何度目だこのやりとり。


ローは内心ため息を吐いた。





「だっていらない。」

「いらないじゃねェよ、食え。」

「それよりノーパソ返してよ、暇。」

「バカか、それ言われたらなおさら返してたまるか。つうかこういったものは持ち込み禁止だと言っただろ。」

「……チッ。」

「舌打ちすんじゃねェくそアマ。」



ベッドに横たわり、用意された質素な病院食から顔を背ける厄介な患者。

そんなだからナースから評判悪いんだよ。


「余計なお世話だよ。」

「仕方ねェだろうが、ここにいる以上お前は俺の患者で診てやる義務がある。」

「私は頼んでないって言ってんじゃん。」

「こちらとらお前みてェなわがまま願い下げなんだがな、患者であることに変わりはねェからな。」

「……………。」



ピク、と片眉が微かに上がったがまたいつもの無気力そうな雰囲気を纏ったので、気にしないことにした。



「私だってローみたいな俺様な先生やだよ、シャチみたいないじり甲斐のある人が良かった。」

「ロー"先生"だろうが、てめェこの俺に不満があるってのか?」

「いくら頭も顔も良くて地位があっても、中身がダメだったらしょーもなくね。」

「…よっぽどバラされたいらしいな。」

「おお怖。じゃあローがうるさいから食べようかな。」


ナマエはむくりと起き上がって手を合わせた。


「食べたらノーパソ返して。」

「…てめェ人の話聞いてねェだろ。」

「いいじゃんそれくらい。フラストレーションたまりまくってんだって。」

「後で適当に本でも持って来てやるからそれで我慢しろ。」

「チッ、小さい野郎め…エロ本とか持って来たらここから突き落とす。」

「持ってねェよそんなもん。」


もそもそと白米を口に運ぶナマエにはため息しか出ない。
仮にも女がエロ本などと堂々と言うのはどうなんだ。


「うぇーブロッコリーきらーい。」

「鼻つまんで食っとけ。」

「んん、………、」


意外にも素直に鼻をつまんでブロッコリーを口に放った。


「お、」

「…おえ、まずっ。」


涙目になりながら水で口をいっぱいにさせるこいつにしては、まァ頑張ったな。

その前にその年で好き嫌いするんじゃねェ。


「やっぱ病院食は好きじゃないなあ。」

「仕方ねェだろ、栄養重視で作られてんだから。」

「あーあ、ハンバーグが食べたいな…。」

「我慢しろ。」




文句を言いつつも完食するために箸を動かし口をもごもごさせている様子を見てると、まだまだ子供だな、と改めて思う。




prev/next


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -