\もしもキセキが執事になったら/
2015/12/06 19:01

*黒子執事

「テツヤー何処ー?」
「お呼びですかお嬢様。」
「テツヤ!テーツーヤー!」
「お嬢様、僕はここです。」
「は?うおお!!な、い、つからそこにいたの!?」
「ずっといました。」
「嘘吐け!ずっと隣にいて気づかない訳ないし!」
「僕は影が薄いので仕方ありません。」
「毎回毎回探すこっちの身にもなってよマジで…。」
「こればっかりはどうしようも…。」
「この前入ってきた新人君なんて幽霊が出た!って泣いたらしいよ。」
「…幽霊って僕のことですか?」
「だってこの前お父さんの部屋にワイン持ってったの、テツヤでしょ。」
「……………はい。」
「まァ夜だったしね、仕方ないよ。」
「地味に傷つきますね…幽霊扱いは。」
「新人君にも慣れてもらうしかないね。」
「この前も、宅配の方が僕に気づかれなくて…」
「えっ、嘘!?ホントに!?」
「折角判子を持って来たのに、そのまま行ってしまわれました。青峰君が引き止めてくれたので荷物は届きましたが。」
「ぶはっ、テツヤドンマイ!」
「お嬢様笑い過ぎです。」
「いやだって、認識されなさ過ぎでしょテツヤ。これは街に出かけても誰1人テツヤに気づかなさそうだね。」
「…否定出来ません。」
「え、冗談のつもりだったのに。」
「それよりもお嬢様、僕に何かご用があったのでは?」
「あ、そうだった…テツヤ、ちょっと私の部屋に来て。」
「しかしお嬢様、もうお休みのお時間では…」
「?だからテツヤ呼んだんだけど。」
「…?」
「テツヤの読み聞かせがないと眠れないの、テツヤの声を聞いて寝るのが最高なんだから。もー他の奴らはダメダメだね、全然眠くならない。」
「………お嬢様、今おいくつでしたか。」
「18。」
「…そろそろ大人の女性になるという自覚を持っていただかないと困ります、こんな平凡な執事のお相手をいつまでしていては、」
「えー別にテツヤとずーっといるから他の男なんていらないもーん。」
「!?」
「いーからさっさと来る!命令だ!」
「(旦那様が聞いたら怒られますね…。)」





*黄瀬執事

「涼太、お茶。」
「はいっス!」
「ねーこれ嫌い、涼太食べて。」
「喜んでお嬢様!」
「涼太ー甘いもの食べたい。」
「急いで美味しいケーキを運ばせるっス!」

「…涼太さァ、」
「何スか?お嬢様。」
「あんた私に甘くね?」
「そうっスか?」
「あと言葉遣いどーにか出来ない?」
「えーこれはもう癖っていうか…でもお嬢様が望むならお好みの口調に変えるっス!」
「じゃあ普通の敬語で話してみてよ。」
「お嬢様、先日ご一緒に下校されていた男子生徒とはどのようなご関係で?」
「何でそれをチョイスした。」
「いやちょっと思いつかなくて。それでどーなんスか!?」
「どうって…ただ同じ委員会で帰りが遅くなったから送ってもらったってだけ。」
「じゃあ彼氏とかではないんスね!」
「彼氏とか作んないよめんどくさい。」
「そんなの分かんないっス!お嬢様もお年頃の女の子なんスから!」
「別に彼氏とか興味ないんだけど…」
「そう言ってられるのも今の内っス!大人になったら、もしかしたらオレよりかっこいい男が現れるかもしれないじゃないっスか!」
「何遠回しに自分かっこいいっつってんだ。」
「いでっ!ぼ、暴力は良くないっスよお嬢様…。」
「あんたがナルシスト発言するからでしょーが…つかこんな普通の女子に興味持つ男なんてそうそういないよ。」
「そんなことないっスよ!お嬢様は十分魅力的っス!!」
「涼太の褒め言葉、お世辞にしか聞こえないから信用出来ない。」
「そ、そんなァ…」
「まァ安心しなよ、涼太がいるから彼氏とか作んないから。」
「え、」
「…つかやっぱそのまんまでいいや、口調。今更畏まった感じで話されても腹立つ。」
「理不尽!いたっ、ちょ、お嬢様蹴らないで!」





*青峰執事

「雨か…傘持って来てないや。」
「あ、あの…」
「ん?」
「よ、良かったら…俺の傘、貸そうか?」
「え、でも君は?」
「俺ん家近いから…大丈夫だよ。」
「でも悪いし…あ、一緒に入れば良くない?ね、ナイスアイディア!」
「え、」

「お嬢様。」
「あっ、大輝!」
「えっ、な、だ、誰?」
「執事の大輝。迎えに来てくれたの?」
「玄関にお嬢様の傘が置いてありましたので…タイミングの悪いことに、車は今出せる状況でないので徒歩で申し訳ありませんが迎えに参りました。」
「あーうん、いいよ。ありがとう。」
「え、あの、」
「ごめん迎え来たから帰るね、バイバイ!」

「誰だ今の。」
「クラスメイトの加藤君だけど。」
「仲良いのか。」
「え?んんー…挨拶するくらい?」
「…この鈍感女が、」
「え?何?何で怒ってんの?」
「お前がバカでしょーもねェっつったんだよ。」
「大輝にバカって言われたくないんですけどー!こないだメイドのさつきにティーカップ割って説教されてたの知ってんだからね!?」
「わざと割ったんじゃねェよ!」
「あとあんた、この前ロブスター見て『ザリガニってこんなに大きくなるのか!?』って驚いたんだってね?」
「おまっ、何で知って、」
「さつきから聞いたー。」
「あんのブス!!」
「流石に笑ったね、大輝がバカなのは知ってたけどここまでとは。」
「うるせェなほっとけよ!」
「まァおバカさんな大輝も可愛くて好きだけどさ。」
「、」
「でも勉強出来ないのは困るからせめて高校生の勉強内容だけは出来るようにしといてくんない?」
「…………………………努力、する。」






prev | next


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -