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翠くんの家に誘われる


短編翠くんの続きかもしれない。


翠くんと成り行きで(というか不可抗力で)付き合うことになってから早数ヶ月。特に何かしていない。ちゅ、チューとかは、まぁされたりもしたが……。家に来て欲しいと言われたのはやんわりと断り続けていた。が、ある日、「来てくれないんだったら俺死にます。」と言われた。普通の人だったら笑い飛ばすんだろうなぁ……。普通の人だったら。

「こ、こんにちは……。」
「別に言わなくてもいいっすよ。今家に誰もいないんで。」

こ、こ、怖い!!!!! そんなことは口に出せない。翠くんはいつも通りの様子で靴を脱いで部屋に向かった。私の手は汗でビショビショだというのに涼しい顔をしている。翠くんの家って八百屋だよね。何故誰もいない。そんなことを考えていればあっという間に翠くんの部屋に着いたらしい。彼が私を先に部屋に誘導して、扉を閉めた。可愛らしいファンシーなぬいぐるみがいくつか見られる。そういえば彼はゆるキャラが好きだったなぁ。

「なまえさん。」
「ひぃ! 」
「なまえさんなまえさん……。」
「み、翠くん。落ち着いて……。」
「落ち着けません。なまえさんが俺の家にいるだなんて……。」
「ちょ、ちょっと翠くん。」

翠くんが急に後ろから抱きしめてきたかと思えば、彼の手の動きが怪しくなってきたので、それを制した。すると、ピタリと彼の動きが止まる。あれ、嫌な予感が……。

「……嫌なんですか。」
「え、あ、あの、嫌という、わけでは……。」
「嫌なんですね。」
「え、あ、いや、嫌じゃない! だから徐ろにカッターを持つのを止めてください! 」