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「アントーニョくんが怖い」


「ねぇロヴィーノくん、ちょっと聞いてくれないかな……。」
「嫌だめんどくせぇ。」
「そ、そんなこと言わないで! 友達を助けると思って。ほら、これあげるからさ! 」
「トマトなんて死ぬほど食ってんだよ! ……だ、だけどまぁ、友達だし、聞いてやらんこともない、友達だし……。」
「ありがとう!!! 持つべきものは友!!! 聞いてください!!! アントーニョが怖い!!! 」
「やっぱ聞くのやめた。」
「ちょ、ちょっとどこ行くのぉ〜〜〜?!! 頼むよ、すこーし話聞いてくれるだけでいいから!!! すこーしだけね。」
「あいつに俺と喋ったとこ見られたらめんどくせぇじゃん。俺帰るわ。」
「ひ、ひどい!!! 友達を見捨てないで!!! 」

ああ、なんて薄情な友人だろう。私が今どんなに悩んでるかも知らないで。事の発端は数日前に遡る。何だか最近アントーニョがやけに私の身辺事情に詳しいなぁとぼんやり思ってたら、私の部屋から隠しカメラが見つかったのだ。私の家に来る人はアントーニョくらいなので問いただせばあっさり吐いた。うわぁと思わず引いてしまった私に向かって彼は突然泣き出して抱きついてきた。

「え、泣かないでくださいよ……。」
「なまえちゃん、俺を捨てんといてぇ! ごめんな、ほんまに好きで好きで心配やねん! もうこんなんしやんから!!! 」
「お、おおう。」
「許して、許して。」
「わかった、分かったから落ち着いて。」



「と、いうことがあったんだけどね。」
「聞いてねぇよ。」
「それが昨日だよ、また新たなことが発覚した。」
「聞いてねえって言ってんだろ。」
「どうも彼、私の携帯にGPSアプリ付けてたみたいでさ。」
「きいてね……っておい、そのアプリちゃんと消したんだろーな! 」
「あ。」
「なまえちゃんなまえちゃん、偶然やなぁ! 一緒にかえ……って、何で、ロヴィーノと一緒に……。」
「消すの忘れてたわ。」
「ああめんどくせぇな!!! 」