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逢坂壮五にあーんてされる


普通に病んでる




「ほら、なまえちゃん。ご飯できたよ。」
「……。」

僕のことをチラリと見たかと思うとすぐに下の方を向くなまえちゃんに、どうしたものかと悩む。ここ数日なまえちゃんは元気がなかった。ご飯もちゃんとまともに食べてくれない。せっかく作った料理も無駄になってしまう。

「ちゃんと食べよう? ね? 」
「……。」
「ずっとちゃんとご飯食べてないでしょう? ……心配なんだよ。」
「……。」

ああ、何をそんなに悩んでいるのだろうか。分からないから教えて欲しい。黙っていたら伝わらないことだってあるのに。出来立てのオムライスは、なまえちゃんの大好物だ。卵がフワフワになるように、結構頑張って作ったのにな。

「ねぇ、なまえちゃん。オムライスだよ。食べて。」
「……。」
「うーん、じゃあ僕が食べさせてあげるね。」

スプーンでオムライスを掬う。何も食べてない状態がこのまま続けば危険だ、そう思ってなまえちゃんの口まで運ぶ。口を開けて、そう言ってもなまえちゃんは口を結んで食べようとしなかった。こんなに僕が心配してるのにどうして分からないのだろうか。なまえちゃんは下の方を向いていて表情は確認できなかったが、何かに怯えているようだった。なまえちゃんの両頬を片手で掴んで目線を合わせる。途端に分かりやすくビクリとしたなまえちゃんと、ようやく目が合った。目線がうろうろ、と動く。何に怯えているのか、心なしか目が潤んでいた。

「ねぇなまえちゃん。食べてよ。」
「……。」
「オムライス、好きでしょ? 」
「……。」
「……食べないと一生ここから出してあげないよ。」

ハッとした顔をしたなまえちゃんは、うろうろしていた目線を僕の方へ合わせた。そして、首を数度ふるふると横に振ったかと思えば、口を小さく開いた。体は心なしか震えている。顔色も悪い。

「ふふ、良い子だね。はい、あーん。」

ニコリ、笑って見せたけれど、なまえちゃんの顔色が良くなる気配はない。やっぱり数日ご飯を食べなかったのは大きかったみたいだ、これからは無理矢理にでも食べてもらわないとなぁ。なまえちゃんの頭を撫でると、なまえちゃんが泣き出してしまった。頑張ったんだけど、オムライス美味しくなかったのかな。

「大丈夫だから、泣かないで。」
「う、うう……。ふ……。」
「あんまり泣いちゃうと僕も困っちゃうなぁ。」

なまえちゃんの笑顔が好きだ、ここ最近ずっと見れてないけれど。でも、なまえちゃんの泣いている顔も可愛いと思ってしまった。そんな可愛い顔、やっぱり誰にも見せたくないから、さっきはああ言ったけれど、まだ外には出してあげられそうもない。