青空の下で | ナノ

「そもそもー!女の子っていうのはねー」
「へいへい・・・」
「んもー!せっかくいのちゃんが話してあげてるんだからきちんと聞きなさい、よ!」
「あだだっ!」

いの独自の女論が口から出たとたん、これは長引くな・・・と思った・・。
返事を適当に返したら、ひっつめていた髪の毛をぐいっと引っ張られる・・・こ、これ、パイナップルじゃありませんから・・!
頭皮がちょっと痛くなった・・・その反動か何なのか、髪をとめていた紐はぱちん、と音を立てて破けてしまう。

「あっ・・!いのー・・・やめてよ、髪垂らすのすごい面倒くさいんだから・・」
「あんたはまーたそれかい・・!」

髪は、アカデミーに通う中でどんどん長くなってきた。
本当なら面倒なので切りたいのだが、ヨシノさんにいつか髪のことを褒められたのがきっかけで、
とりあえずずっと伸ばしっぱなしなのである・・・だから、垂れると首元にあたったりして非常にうっとおしい。
女らしくないシカマルヘアーも、おしゃれより実用性だ。
いのやサクラのように、私は飾りつけをするなんて絶対似合わない。

「目も前の方がぱっちりしてたような気がするわー、それに、
なんかどんどんめんどくさがりになってきてるじゃない!そんなんで忍がつとまると思うの!」
(・・・目は・・・関係ないと思う・・)

ちょくちょく突っ込みたいことはあるが言葉にすると面倒になりそうなので思うだけにした。

「うーん、素材は悪くないのになあ、どうしてあんた女らしくないのかしら・・!」
「素材って・・」
「髪だって綺麗だし、そうやって垂らしてた方がまだマシだと思うわー。
あと、性格が悪い、あとやる気がない、あとねー・・」

ぐさっぐさっといのの台詞が私に突き刺さる・・。
いや、全部真実だけど直す気なんてさらさらないし今更女女するのも気持ち悪い。
精神年齢二十七の中身がずっとずっと年下の子らに合わせてかわいこぶれというのは羞恥が邪魔をするぞ・・。

「・・なーんか、ロク男の子みたい!女っぽくないどころか女じゃないわー」
(くおっ!)

ああ、
相手は子供のはずなのにっ!
ここまで言われて何一つ言い返せないとかもう私は・・。
私は心でちょっと涙ぐんだ・・。

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