青空の下で | ナノ

「なんか、あんた随分変わったわね」
「・・・はい?」

私の特等席。
面倒だからいいと言うのに、遊びに行こうと誘ってくれた幼馴染。
雲なんか見てて何が楽しいのかしら、という彼女が出した次の言葉に私はぽかんとした。






―第13話 影写しは彼のままに―






「・・変わった、って・・・何が・・・?」

今日こうしてのんびりとお休み出来るのは、アカデミー毎年の春休みだからだ。
この休みさえ終われば、くのいちクラスと男子クラスはようやく合同クラスになれるらしい、今から楽しみだ。
そろそろ私も、奈良ロクとして年齢は二桁になるまであと半年、と言う時期。
時の流れは早いなあ・・
ぽつり、なんとなくもらした言葉にいのに、ばばくさいわー・・・と半ば呆れた顔をされた・・・。

「んー、昔はこう・・・あんた、もっと女らしかったじゃない。それがどう?」

びしっ、と突きつけられた人差し指にうっ、と条件反射でびびった・・。

「ど・・・どう、って・・・」
「あんたねー、どんどん女の子からかけ離れてってるの自分で気付かないの!?」

だん!
いのが私の寝ていた特等席を足で勢いよく蹴った。
・・・お、女の子、こわい・・!

「だいたい!女の子なのにお花にちーっとも興味がないとか、ずっと寝てばっかいるとか!
おかしいと思うわー!なんか、くのいちのくせにくのいちらしくないのよ、あんたは」
「・・・・はあ・・・さいですか・・」

とっくのとうに自覚はあるつもりなんですが・・。
だって、シカマルのアイデンティティは崩したくない。
イコール自然に、私は彼の真似をしていっているのだから。
確かに私はシカマルではないけれど、真似してみたい部分もある、子供心というやつだ。
私に女らしさを求めるなんて、シカマルに女らしくなれと言ってるのと一緒のようなもんだ・・・。
結果、無理。
くのいちだろうが男子だろうが結局はいきつくところは同じ、忍という生きる道なのだ。

「はー・・・なんていうかさ、あんた・・・・昔の方がかわいかったと思うわー」
「・・・地味に傷つくからやめて・・・」
「だって、本当のことだもの」

確かにいののはきはきした部分は好きだけれどさ・・・!
小さい子に言われるとちょっときついぞ・・中身三十路片足突っ込みで申し訳ない・・。
私は何も返せず空にためいきをついた・・。


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