青空の下で | ナノ

今日のお昼ご飯もヨシノさんの手作り弁当。
食べ終わったら空の下でこてんと寝転がるのもまた日常。
授業面倒くさいし、早く終わらないかなあ。ナルトと早くお昼食べたいなあ。
そんなことを思っていた矢先、私はどうやらまたも授業中に寝入ってしまったようだ・・。

「奈良さん、まだ授業は始まったばかりなんですよ!全く!」

スズメ先生の叱り飛ばす声で意識が戻り、寝てたのか!と自分でも驚く様を周りに見られ、
生徒は私のまぬけ面にくすくすと笑うわ、先生は呆れる表情をするわ・・。
とりあえず、すみませんと言ったがどうやらいい加減スズメ先生も溜まっていたのだろうか。

「・・いいです、では今から抜き打ちテストを致します!」
「「「ええー!?」」」

いきなりのテスト宣言に、ぱちぱち目をまたたかせる私。
・・・もしかしなくても私のせいかなこれ・・・
不満を表す生徒の声と、視線が明らかにこちらに向いている。
ああ、やっちゃった・・!

「眠ってしまう程退屈なら身体を動かした方がいいですからね、さあ皆さん一列に並んで!
変化の術で私に変化してみてください!」

あからさまに私の方見てますよね先生・・・。
と言うより、なんかデジャヴュと思ったら、これ、ナルトがくらってたテストじゃないか。
まさかくのいちクラスで、しかも私が再現してしまうとは・・。

「あんたのせいだからねー!」
「はいはい・・すいやせん・・」

くあ、とあくびをしながらアミちゃんに答える。
なんだかんだ言っていじめっ子ともつかずはなれずな距離を保てる今日この頃、処世術極めてみようかと思った。

(・・!)

そうだ、と悪知恵が働く。
確かこういう時ナルトなら・・悪ガキドベくのいちらしくしてみましょうかね。
変化の術を使って皆が先生に「よし!」と褒められてる中、私の出番がやってきた。
にっ、と不機嫌そうな先生に笑顔を向けて、印を組んだ。

「変化!」

どろん!
煙が小さく巻き上がる、そこにいるのは先生に変化した私ではなく、

「んまっ・・まあ・・!」

無難に女受けしそうな顔、色気がついた目。
しっとりした黒髪にスズメ先生より頭一つ分高い背格好をした、イケメンの姿。

「名付けて、忍法お色気の術!」

そして、低めの声。
ほふふん、と煙の効果も相まってかクラスのくのいちの視線をくぎづけだ。
ほのかに頬を染めてる子も何人かいて、よっしゃ、と小さくガッツポーズ。
精神年齢一回り年上をなめるない、この年代の子はとかく容姿がかっこいい人に惹かれることはお見通しだ!
・・ちょっとだけサスケの容姿をイメージしたのは言わないでおこう。

「なっ、奈良さん!きちんと変化をなさい!!」
「おろろ・・顔が赤いですよ、スズメ先生」

ぶっちゃけ、ただ綺麗なだけの男は好みではないが、世間一般ではサスケのようなこんな顔が人気らしい。
それはスズメ先生も同じだったらしく、驚いたが・・。
ナルトの術で鼻血出すイルカ先生と反応は全く違うが、これはこれで面白い、かも。

「先生・・・・意外とミーハーなんですね」

にこり。
別人のイケメン顔(世論に基づく)で笑ってやれば生徒はキャーと小さく叫び、
意外にも先生にも効果はあったようだ、顔を真っ赤にしていた。
・・が、流石にそこは先生だった・・。

「ふっ・・・ふざけないでくださいなああああ!奈良さん廊下に立ってなさい!」
「ですよねー」

からからと笑いながら私は自主的に廊下に立つことになったのである・・。
お色気の術って、ただからかうだけじゃなし、
術をかける側も楽しめるんだなあ、と能天気なことを考えていた・・。

>
- ナノ -