青空の下で | ナノ

少しずつ、この世界に色がついていく。
私の見る世界に。
家族、仲間、信頼できる繋がりによって、私の世界が広がっていく。
この世界で私は過ごしていくんだと、改めて思えるようになった。






―第12話 世界は金色に輝く―






「いってきます」

アカデミー生になってから何回目のいってきます、をヨシノさんに言ったのだろう。
そしてそれはもう日常になっている。
所詮、アカデミーを卒業するまでの日常風景でしかないけれど。
下忍になり、中忍試験を通して中忍になり、その先の未来が分かっているけれど、
私は私、彼は彼。
悲劇は起こさせたくないし、後悔だってしたくはない。
私なりのやり方で、この世界で過ごし、誰かを救えるような役に立ちたい。
・・めんどくせー、が口癖の奴が言えるようなことではないのは確かだけれど。

運命なんて、ぶち壊す。

そう考えることこそが、一番大事なのかな。

「おはようだってば!」
「はよ」

同じく日常になった、まだまだ忍にはなれない子供同士の何気ない挨拶。
それでも、たまに彼が傷をつけてアカデミーにやってくることはある・・。
いつもつきっきりでいられるわけは残念だが無いのだ。自分がナルトの隣にいない間はイルカ先生がいるから心配は無いが、
先生すらいない時はどうしているのか。怖くて聞けていない。
ナルトを蔑ろにする連中が里に大量にいる、その事実が何よりも悲しかった。
せめて、ナルトが明日を生きてみようと思えるように、アカデミーで楽しく過ごさせてあげよう・・
そんな大層なことは出来ない子供の身体が、こんな時憎らしかった。

「ナルトー・・・」
「なんだってば?」
「・・今日、お昼一緒に食べる?」
「!うん!」
「じゃ、あとでね」

そう言ってナルトと中で別れる。
あの笑顔が見れるなら何だってしたいじゃないか。>
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