青空の下で | ナノ

「あー、あー」
「はいはい、ミルクの時間ね」

あれから数日が経ちました。
結論から言うと、私は生まれ変わってしまったようです。
輪廻転生と言うやつでしょうか、赤ちゃんから人生をやり直すことに。
でも、生まれた場所が大問題でした。
私の新しい両親になった人を何度もこの目に焼きつけ、疑問は確信に変わりました。


父さんの名前は奈良シカク
母さんの名前は奈良ヨシノ


顔を見ただけで分かりました、この二人だと。
そして、私はようやくこの信じられない現状を理解し始めたのです。
ここは、私が新しい人生を始めるこの世界は・・・・



―NARUTOの世界だったのです・・・・・



ナルトと言ってもラーメンの中の具でなくて、人の名前で。
前の私の・・・前世とでも言うんでしょうか。
その前世の私が大好きだった少年漫画、NARUTOの世界に生まれてきてしまったようです。
しかも、話を聞く限り、私は奈良家の長女として・・・・奈良シカマルのポジションに生まれました。
成り代わりというやつです。
どうやら私はシカマルの代わりにNARUTOの世界に生まれてきてしまったようです。
まぁ、何という大問題なんでしょう。
確かに、何回か夢見たことはあります、死ぬ直前に願ったりもしました。



もしも生まれ変われるなら?
―NARUTOの世界に行ってみたい



まさかあれが叶うなんて・・・夢中夢でも見てんじゃないかと思うくらいですが。
驚いたことに、今私がここにいるのが現実で。
こんなの、奇跡以外の何でもないですね。
ちょっと、もう、生まれてきて数日で悪いんですが、どうしましょう・・・早くも驚きのお陰で寿命縮まった気がします。
というか、
死んだらすぐ赤ちゃんになってましたなんて、誰だって過度なパニック引き起こすと思うんですが。

「はーい、ロクちゃん。今日はもうおねむの時間ですよ」

色々と悩んでたら、看護婦さんに抱かれて寝る為の場所へ連れて行かれました。
すいません、まだ夕方なんですけど、眠くはないのですけれど。

(ああ、本当に赤ちゃんなんだなぁ、私)

どこまで他人事のように話すんでしょうかこの馬鹿は。



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