青空の下で | ナノ

「ヒナタは・・・すごくしっかりしてるね・・」
「えっ・・?」
「だって・・・楽に出来る道がここにあるのに、それをしようとしないもの・・正々堂々、自分の言葉で話しかけたい、って言ってた・・」
「そ、それは・・・その・・・」


自分でやらなくちゃ意味がないと思ったから


「だ、だって・・・確かに、ナルトくんと仲良くなりたいのは本当だけど、
それをロクちゃんに頼んじゃったら、何の意味もないんじゃないかな、って・・思って・・!
私・・何をやってもうまくいかないことばかりで・・・でも、ね、いつもずっと頑張ってるナルトくんを見てるだけで、すごく励まされるの・・・
だから、その・・・・」
(・・・私とは大違いだな・・)

彼女はすごく純粋だ。
大きな誤解をしていたことを心の中で謝っていた。
・・・・ああ、そうか、私が何でこんなことを思ったのか。

似てるんだ、ヒナタと私は
・・・似てる、って勝手に私が思い込んでいた・・・

私、と言っても、前世の私。
何も言い出せなくて、正々堂々向きあえなくて、いつも前世の私は立ちはだかるものから目を背けて、
ただ逃げることばかりうまくなっていた。
ヒナタも同じタイプだと・・・そう、今になるまでどこか心の奥底で思い込んでいたから、あんな考えしか出なかったんだな。
こんなにも、彼女は真っ白だというのに。

「・・ど、どうした・・・の?」
「んーん、大丈夫・・・ごめんね、ちょっぴり誤解してた」

かん、と足元近くにあった石を蹴飛ばす。
すさんだ婆は反省しろ・・。

「ヒナタは本当に・・ナルトのことが・・・好き、なんだね・・」
「ええっ」

好き
その言葉に過剰な反応が見えた。

「そ、そうなの・・・かな・・・・」
「うん。ヒナタ、それはね・・・恋、って言うんだよ、きっと」

彼女のナルトへの想いの大きさは恐らく誰よりも大きい。
大きくなって、中忍試験でも、ペイン戦でも、彼女はこれからすごく成長していく。
一人の忍としても、一人の女性としても。

「じゃ、じゃあ・・・、ロクちゃんは、ナルトくんのこと・・・どう思ってるの・・?」
「へ?」

どうしてそこで私に来るんだろう・・・。

「そ、その・・・いつも、ナルトくんと、一緒にいるし・・・」
「・・・安心して・・?私は、ヒナタのライバルになるつもりはないよ・・・」
「えっ、あの、そそ、そんなんじゃ・・・」

わたわたと慌てるヒナタに、隠し事苦手なんだね、と笑った。

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