青空の下で | ナノ

「それで、ヒナタの本当の目的はなに・・・?」

下校途中。
からかうように隣を歩くヒナタに言うと驚いた表情が返ってきた。
同時に彼女は顔を赤くする。

(バレバレなんだよなあ・・・かわいい・・・)

彼女はとにかく物事を隠すことが苦手のようだ。
それは先程からも続く動揺ぶりを見てれば誰にでもわかるだろう。
日向一族のお嬢様。
そんな子があんな簡単な理由で私に近づいてくることなんてあり得るだろうか。
そう、何か特別な理由でも無い限りくのいちクラスのドベをあんな遅くまで教室で待っていることは無いのだ。

「知ってるよ・・・今は私しかいないし、何でも言えばいい・・」
「えっ・・・」

意地悪く笑みを浮かべて見せる。
ヒナタはこれでもか、と言うほど顔を赤くして、手で覆った。

「じ、実は、ね・・・・・」



ナルトくんのことなんだけど



そう小さく動いた口。
声はほとんど聞こえなかったが、かろうじて口の動きでわかった。
ナルト、の言葉を出してから耳まで真っ赤。

「やっぱりね・・」

くすくすと、微笑ましいものを見るようにロクは笑う。
・・このところ、よくわからない視線を私は感じていた。
それは決まってナルトと私が一緒にいる時であり、イタズラ成功した時や、
イルカ先生に並んで立たされた時、そんな光景で感じていた。
なんのことはない、考えてみれば簡単なことだったのに・・・。

「その、あの・・・ロクちゃんにね、お願いしたいことがあったから・・・・」
「・・・・だから、今日の帰り待っててくれたってわけね・・」
「う・・・うん・・・・・」

ヒナタの口から語られたことは、やはり予想通りだった。

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