青空の下で | ナノ

『お父さん、忍術・・・教えて』

とシカクさんにお願いをしてから結構経ちます。
あれはアカデミーに入って少しばかり経った頃・・・男子クラスと違い、なかなか術や暗器の授業にいかないくのいちクラスにはがっかりしていて。
せっかくただの一般人から忍の子になれたのだから是非とも早く術を習いたく思い、直接シカクさんから教わろうと思いつき、今に至ります。
最初は、チャクラとかどう出すのかが不安でしたが・・・そこは忍の身体になった運命、
きちんと視覚化されて見えたから驚きと同時に安心して、簡単に練れた。
習う、と言ってもシカクさんも常に任務へ行くので月に三、四回くらいしか出来ませんが・・・それでも色々と学ばせてもらっている。
・・・シカクさんいわく、まだ子供なのでチャクラに限りがあるらしく・・・基礎中の基礎しか術として発動は無理で・・・。
分身の術は一人作るのがやっとだし、火遁水遁風遁もまだまだ威力が小さくて・・唯一完璧に出来るのは変化の術くらいで。
まだまだ先は遠いです。

「・・・・ん?」

シカクさんが空を見上げた・・・私もその視線を追うと、そこには一羽の鳥がくるりくるりと回っていた。
大きな鳴き声を一つ出して去るそれに、シカクさんはため息をして。

「・・・面倒くせぇなぁ・・・緊急の任務だ。悪いロク、後の修行は自分で出来るよな」
「うん・・・。お父さん、帰りは・・・?」
「今日の夜か・・・・長引いても明日だな・・・母ちゃんに言っておいてくれ」
「分かった・・・いってらっしゃい・・・」
「ああ。母ちゃんの言うこと、よく聞くんだぞ」

そう告げた瞬間に、シカクさんの姿はその場から消える。
・・・瞬身の術・・・。
すごいなぁ、私も早く使ってみたいけれど・・・。
メインで使うのはこの秘伝の術なのだし、これを鍛えなくては。
じっと自分の影を見つめた・・。
そんな私をどう思ったのだろうか・・・がさ、と鹿達が森から顔を出してきた。
・・・・丁度いいかもしれない。

「修行・・・・手伝ってくれる?」


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