青空の下で | ナノ

今日は屋外・・・演習場近くにて授業。
・・・・と言ってもくのいちクラスは別に体術とかをやりに行くのではなくて。
むしろそっちの方が個人的には良かったのだが・・・。

「はーい。今日は薬草、毒草についてお勉強します。では実際に自然の中のものを見てみましょう」

スズメ先生の言葉に、心底面倒くさそうな顔をしていたと思います私は。






―第6話 乙女咲き誇れ―






と言うわけで。
途中の説明は右から左からだったので、完全に理解は出来ていませんが、
今日くのいちクラスは演習場近くの花畑と森の中をグループに分かれて散策する授業らしいです。
ただでさえ面倒だと言うのに、更に動けと?
何ですか何ですか・・・・そんなの図鑑見て自分で勉強すりゃいいだけの話でしょうが。
はっきり言って面倒くさいです。

「・・・ちょっとー、あんたどんな顔してんのよ・・・」
「・・・・・あ・・・・・ごめん、半分寝てた・・・・」
「あんたねぇ・・・」

スズメ先生の説明が終わった直後、いのの声で私の意識はようやくハッキリした。
とりあえず、出された課題は、どれでもいいから毒草毒花・・・・それと対になる効果の薬草薬花を採集してくるというものになったようで。
クラス内でいの以外に親しい子はいないので、グループもいのと二人だけで組んだ。

「いのちゃーん、あたしらと組まない?」
「ごめーん、ロクと一緒なのよ」

花屋の娘で、毒花の種類にも詳しいいのは皆から他のグループに誘われている。
その度に私と一緒に組むから、と言ってくれるのは嬉しい。
・・・でも、その度、断られた子の視線が痛いんだよなぁ・・・・。
いのは、私と違って社交的だからクラス中で人気は高いし・・・そんな人気者、こんなぐうたら者に取られたら誰だって睨んでくれますよねそりゃあ・・・。

「・・・・いの・・・私、一人でやるから・・・他の子と行ってきなよ・・・」
「何言ってんの。あたしの友達を認めてくれない子とは一緒にやってても気分悪いだけよ。さ、ロク行きましょ」

ぎゅっと手を握って私を引っ張るいの。

「・・・・ありがとう・・・」

小さく呟いた声。
いのはもう一度、私に笑ってくれた。


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