青空の下で | ナノ

(あー、いたいた・・・・)

思った通り、ナルトは予想した場所にいてくれた。
これくらいの年頃の子供だと、行動範囲もパターンもありきたりなもので。
とりあえず敷地内を探せばいるだろうという当てずっぽうは見事に的中した。
アカデミーの敷地内、木から吊り下げられたブランコ・・・・それがナルトによって揺らされていた。

すとん!

「!」

私がすぐ近くの木から飛び降りると、ナルトは肩をびくっとさせて。

「おっ、お前、誰だってばよ!?」

まぁ・・・・そりゃ驚くでしょうねぇ・・・。
イルカ先生じゃなくて、面識無い子がいきなり出てくれば、ナルトは。

「君・・・・うずまきナルト、だよね・・・・」
「そっ・・・・そうだってば?」
(・・・何故疑問系・・・)

十分に混乱が見て取れた・・・・。
確か、この時のナルトには友達なんてほとんどいなかったんだっけ・・・・。
なら誰かに話しかけられること自体慣れてないのだろうか?
・・・あー、地味な失敗ばかりするな・・・私。
でも、どうしても放ってはおけなかったから。

「大丈夫・・・・・私は、君をいじめたりしない・・・・罵ったり、しない・・・・だから、そう怯えないで・・・」

今のナルトの心情は、とても理解出来る。
誰かに認めてもらいたい・・・・、それと同時に拒絶されることを異様に恐れている。
昔の、私みたいに。

「う・・・嘘だってば!どうせ、イルカ先生か誰かに連れて来いって言われてんだろ!俺はやだかんね、そんな手には騙されないってば!」

・・・・・どうやら、連れ戻す為の作戦だと思ってくれてるらしいです・・・・。
弱ったなぁ・・・・まだ幼いのに、人を信じられなくなってるなんて・・・・大人は、里の人はどれだけナルトに・・・。
ふぅ、と息を吐いて彼を見つめた。

「違うよ。私は・・・・自分の意思で、君に会いに来た・・・・・・ううん、君に、会いたかった・・」
「・・・!」
「・・授業は、さぼるに限る・・・・よね」

そう言うと、ナルトの表情がちょっと変わった気がする。

「隣、いい・・・・?君も授業出ないんなら・・・・一人より、二人の方が・・・寂しくないでしょう」

私はブランコが下がってる木に背中を預けて座った。
ナルトはずっと、不思議な物を見るような目で私を見つめていた・・・・。


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