青空の下で | ナノ

「長期任務?」
「ああ、久々に長いのがきちまった」

晩御飯の席で、シカクさんに言われたこと。
なんでも、三ヶ月里外に出ての霧隠れの里付近での諜報活動らしい。
今まで三週間や一ヶ月の任務はあったけれど、確かに珍しく長い任務だ。
・・しかも、霧隠れとは、また危険な場所・・。

「三ヶ月も・・かあ・・」
「はは、そんな寂しがるな。任務が終わったらまた修行見てやっから」
「・・うん!」

まだ、私は。
これが、一族を巻き込んでまで発展する事件の前兆になるだなんて、
気付けるはずもなかった。






―第17話 接触―






「じゃあな、母ちゃんときちんとやるんだぞ」
「はーい・・!いってらっしゃい!」

任務に行く時のこの別れはちょっとだけ寂しい。
三人家族の一人が減っただけで食卓はどこか寂しげになる。
木ノ葉の大門前、私は仲間と共に出発したシカクさんの背を見ていた。

「おー、今日も見送りにきてたのか嬢ちゃん」
「あっ、コテツさん、こんにちは」

大門の門番のコテツさんとイズモさん。
私はいつもシカクさんが任務に出たりする時は、時間が許す限り見送りにくることが多い。
彼らとも、ここで知り合った。今では見知った顔。

「三ヶ月・・って、長いですよね・・・ちょっと今まで以上に寂しくなります・・」
「まあまあ、とりあえず元気出しな!でも、シカクさんが借り出される程の諜報任務かあ・・こりゃAかSランクは当たり前じゃねえの」
「まあ・・珍しいことではあるよな。普通、上忍自ら諜報を任される時は相当なリスクがある場合が多いし」

ざっ、と一瞬で顔が真っ青になったのはいうまでもない。

「ま!シカクさんのことだし、ちゃちゃっと任務終わらせて帰ってくるさ!」
「はは、違いない。あの人、任務でも「めんどくせえからとっとと終わらせるぞ」だもんなあ」
「じょ、冗談きついですよ!もう・・・!」

コテツさんとイズモさんに挨拶してから、私はアカデミーへの道をたどった。

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