青空の下で | ナノ

・・・あれから、一ヶ月。
そう、うちはの屋敷の事件が起こってから既にその月日が流れていた。
はじめこそ・・女子も男子も、教員ですらサスケの心を思って近寄らなかったけれど・・。



『俺も信じてみるよ、お前の言葉も・・・兄さんも』



・・ほかでもない、そのサスケ自身が日常を取り戻そうとしていた。
だから、景色も自然と、前と変わらないままに少しずつ戻っていった・・・。
相変わらず、やかましい女子はサスケも苦手のようだが。
けれど今はそのうるさささえも、この世にいる実感となっているのではないだろうか。

(また、笑えるようになったね)

さっき見せた笑顔も、
前にイタチのことを話してくれた時の笑顔に、似ていた。
確かに私達は忍だけれど、その前にまだまだ子供であり、一人の人間だ。
甘っちょろい考えだと思われるのは承知の上、少しずつ彼に日常を取り戻させたい願望があることは事実。
だって、悲しいことがあったのなら支えたいのは当然のことじゃないか。
私達は、友達・・・・いや、仲間なんだから。

「こらーー!ナルト、サスケ!喧嘩じゃないんだぞフォーム崩しすぎだ!」
「かたいこと言うなってばよイルカ先生っ・・うおっと!」
「ふん、ウスラトンカチが。やれるもんならやってみな!」
「むきー!またお前ってばすかしやがってー!」

いつの間にか体術じゃなく、普通の喧嘩にシフトチェンジ。
あまりの、二人らしさに私もついくすくすと笑い出してしまう。
・・・ああ、やっぱりサスケを変えるのはあの子で、
ナルトもまた、サスケから影響を受けて成長するんだろうな。
アカデミー時代のことは完全に明かされていなかったにしろ、
私が二人に関わったことで少なからず原作を脱線してしまったことは確実だろう・・。
それ以外にも色々やらかしたことは一杯あるけれど・・運命なんてぶっ壊すものだと思うので。

「あーんま怪我しないでよー二人ともー!」

それだけ言って、イルカ先生の目がこっちにないのをいい事に。
観客として授業はサボりました。役得。

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