青空の下で | ナノ

「っらぁ!」
「うっ・・・お!」

ぐるん、とひっくり返る視界。
やられた!そう思いながら受け身もろくに取れず私の背中は地面にぶつかる。

「っいって〜〜・・・!」
「お前、受け身くらい取れよ張り合いがないな」
「・・・君と一緒にしないでくれるかな・・!」

苦手科目なんだよ!とやけくそで出した台詞が悔しがりな態度を如実に表していて。
くすくすと笑うサスケに恥ずかしくなったが、つられて私も真一文字だった口の形を崩す。
悪夢のようなあの日から、既に一ヶ月は経っていた・・。






―第16話 日常の中へと―






「バッカねー!あんたみたいな奴にサスケくんが負けるわけないじゃない」
「外野うっさいよー!」

ぎゃいぎゃい言うくのいち達に向かって声を張り上げた。
・・・・どうも、女はめんどくさいなぁ・・こっちはきちんと授業こなしてるだけだってのに・・。

「・・・て言うか、サスケも一々私を相手に選ばなくったってさ・・・」

かなうわけないじゃないか、
ぽつりそうこぼすとサスケは満足そうに笑った。

アカデミー、混合クラスになってからはお馴染みとなった実践授業の一環、
今日やっているものはいわゆる"体術"の実践で・・。
ペアを毎回変えながら手合わせする、と言った内容だ。

「俺と好んでやろうなんて奴がいねえからな、丁度いいだろ」
「物足りないでしょ、絶対・・」
「はは、確かにな」

毎回、サスケは私と授業中に最低一回でもペアを組むようになっていた。
当然のことながら天才に私がかなう筈もなく・・・毎回のごとく軽くあしらわれてこのざまである。

「サスケェ!んじゃあ次は俺と勝負だってばよお!!」
「げ」

間髪いれずに二人の間に降ってきたのは、言わずもがな意外性No.1忍者・・。
パシッ、といきなりの蹴りにも動揺を一切見せず、力をいなして投げ倒すサスケ。

(ああ、これだよこれ・・・強すぎるでしょうよ・・)

反則並みだよ!
苦笑しながら二人の、じゃれあいにも見える試合を休憩と称して見ることにした・・。


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