「えぇ〜〜っ!?美朱のお兄さん〜っ!?」
「え・・・・そんな驚くことか!?」
美朱が星宿の室に行ってから・・・しばらく雑談する中で、柳宿は仰天していた。
「てっきり恋人だと思ってたから・・・盗ってやろうって思ってたのに・・・」
「はっはっは。いやー、嬉しいこと言ってくれるねー柳宿クン」
どうやら、柳宿は大きな勘違いをしていたらしい。
あまりに美朱との仲が良すぎるから・・・・二人を恋人同士だと思い込んでいたのだ。
「じゃ、じゃあ・・・鬼宿が美朱の?」
「断じて違う」
「ってオイ!俺まだ何も言ってねーじゃねーか!!」
「そうですよね、どう考えても召使にしか見えませんでしたし」
「お前もかこらーーーーっ!!」
好きに言われたい放題である。
「おめーとは何か息があいそうだな」
「ええ、そんな気がしてきましたわ」
がっし、と固く手を握り合う。
今ここに"星宿と美朱を結ばせない同盟"結成也・・・。
「改めてよろしくな!あっ、あと敬語はいわねぇぜ。紅蓮でいいよ、俺そういうの苦手だし」
「分かったわ、紅蓮。よろしくね!」
「・・・・俺完全にいらないよね、ここに・・・・」
鬼宿が二人のことを呆れながら見ていた。
「・・・・にしても美朱おせぇなぁ。話してくるだけでこんなに時間かかんのか?」
「「はっ!!」」
そう言えば。
雑談しててすっかり気付かなかった・・・・美朱はまだ帰って来てない。
「「ま、まさか・・・・!」」
『美朱・・・・私は他の女になど興味は無い。ただ・・・お前のことが・・・』
↑星宿IN紅蓮の妄想。
『星宿・・・・私、あなたのことが好きよ。だからね、私のこと・・・』
↑美朱IN柳宿の妄想。
「「ゆ・・・・・」」
許せーーーーーん!!
怒りの火山を噴火させた二人はばびゅんとダッシュした。
「おんどれぁあーーーーっ!!俺の美朱に何ちゅーことをしとんだナルシス皇帝がぁーーーっ!!」
「キィィーーーッ!!私の陛下になんてことをあの娘っ子ぉーーーーっ!!」
「どわーーっ!!めんどくせーこと言っちまったぁーーっ!!」
暴走した二人を追うべく・・・鬼宿は仕方なく走ったのであった・・・。
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