「・・・・・う・・・っ!」

ズキン、と美朱は鋭い痛みを感じた・・・足を怪我したみたいだ。
でも良かった、どうやら生きてる。
恐怖で閉じていた目をゆっくりと開くと・・。

「ぅ・・・・がぁっ・・・・・!!」
「お・・・お兄ちゃん!?」

美朱の上には、紅蓮が覆いかぶさっていた。
美朱が瓦礫に押しつぶされないよう・・・その身を挺して支えていたのだ。

「早く!この瓦礫をどけるのだ!」
「陛下はお下がり下さい!!」
「そんなことを言ってる場合か!!」
「今の武人どもは気絶しております、私どもの力ではとても・・・」

星宿の声が聞こえた。

「お兄・・・・ちゃん・・・・?」

さっき一瞬何かが覆いかぶさったような気がしたけど・・・。
まさか、あれは・・・?

「・・・痛っつー・・・・!」

ぽたっと水滴のようなものが、美朱の頬に落ちた。
それは赤い色をしていて・・・・紅蓮の頭からたらりと流れている。
ギギギ・・・とのしかかっている支柱が音を立てた。

「お兄ちゃん!!支えるなんて無理だよ、やめて!!」
「バーカ・・・・俺がお前守んなくてどうすんだよ・・っ!いいから、兄ちゃんにまかせとけ・・・」

ミキミキ・・・と少しずつ重さを増していく瓦礫。
・・・・・押しのけられない。
少しずつ腕から力が抜けていく。

「・・・・・畜生・・・・もたねぇ・・・・!!」
「お兄ちゃん!!」

もう、潰される・・・・!



ガコン!



「あ!?」

紅蓮にのしかかっていた支柱がのいた。
背中がふっと軽くなり・・・紅蓮は何が起こったのか分からず美朱の上に体を崩した。

「ちょっ、ちょっと!!大丈夫なの!?」
「ああ・・・・大声は出すな・・・・頭が超痛ぇ・・・」

ほっ、と安心する。

「あら生きてるわ、悪運強いわねぇ」

ひょいっと瓦礫の中を覗き込んできたのは一人の女性。

(・・・・誰!?)

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