「「あれ・・・・?」」
目の前の兵士達が全滅するのに時間はほとんどかからず・・・ぴた、と二人の動きが止まる。
「・・・そなた達の強さを証明してどうする・・」
「ふっ・・・とうとう私の出番がやって来たようね」
美朱が待ってましたと言わんばかりにかっこつけて言う。
何だ?と二人は首をかしげた。
「美朱!女子がどうすると言うのだ?」
「大丈夫!学校で先生にすばしっこいのだけはホメられたんだから!」
「ま・・・まぁな」
確かに・・・・運動会のドッジボールも「いーかげんあたれ」と言いたくなるくらい中に残っていたし、
パン食い競争に至っては全員のパンを素早くかすめとっていた・・・・。
「それに本当に強い男ってどんなことになっても女の子には手ぇ出さないはずよ、強い犬はみだりに吠えないってね」
まぁ見てなって、と前に出る美朱を皆が見た。
・・・・遠くの方から、その様子を見つめる者達がいた。
「・・・・康琳様、もう戻りましょう。見つかったらお叱りを受けます」
「・・あれがウワサに聞く「朱雀の巫女」なの?」
侍女に女は聞いた。
「正妃でもないのに陛下と親しいこと。・・・・あの横の男の方は?」
女は髪の赤い男を指す。
「はい・・・・朱雀の巫女をお守りする"神和"の紅蓮様ですわ」
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