「陛下、朱雀の巫女、神和様。仰せの通り宮廷に仕える武人からよりすぐった者を集めてまいりました」
数分後。
目の前にはずらりと、兄妹の命令で屈強な兵士達が何人も集まった。
「おう、ご苦労さん」
「えーと・・・じゃあ、この中で身体に字がある人はいないの?」
「本人の意思で出るもんじゃねぇからな」
美朱の質問に鬼宿がぼそっと言う。
「まー、俺としちゃあとの五人は美人な姉ちゃんがいーんだけどねぇ」
「・・・男だらけの中に美朱放り込まれても困るしな・・・・まだ女の方がましだ」
「ごめんなさいねー美人じゃなくて!あたしはあとの五人も美形の男の子がいーわ!」
うんうんと納得しあう鬼宿と紅蓮に美朱は頬を膨らました。
(・・・・七星士・・・ねぇ・・・・)
『頑張ってね・・・・カンナギさん?』
「・・・・・あ」
思い出した。
俺を助けてくれた・・・あの女の人。
あの時は気にも留めていなかったが・・・・・確かに、俺のことを「神和」と呼んでた・・・。
ということは、あの人は・・・・俺がこの世界に来ることを知っていた・・・?
・・・・もしかすると、あの人は・・・・。
「・・・・なぁ、美朱・・・」
「?」
「俺、ひょっとしたら・・・・心当たりあるかも、その七星士・・・」
紅蓮のその台詞に三人が反応する。
「えっ・・・本当!?」
「ああ、俺がこの世界に来た時・・・ちょっと世話になったんだけど・・考えたら、その人が七星士かもって・・・」
「・・・何でお前一緒にいねぇんだよ・・・連れて来れば楽になったのに」
「黙れ鬼太郎。お前に怒られる筋合いは無ぇ」
「こら!!鬼宿って呼べ!!あっ、星宿様も笑わないで下さいよ!!」
口元を隠して笑う星宿・・・・鬼宿は恥ずかしくてしょうがない。
「女の人なんだけどさ・・・まぁ、七星士だったらそのうち会えるだろ。今はこの中から探し出さねぇとな。」
紅蓮はニッと笑って兵士達の前へと立った。
「・・・・さーて・・・・じゃ、俺が相手になってやるよ。片っ端からかかってこい!」
「え!?ちょ、ちょっとお兄ちゃん!!」
自信満々で手を鳴らす紅蓮。
一人で何をするつもりなんだと美朱が驚く。
「試験だよ試験。ついでだ、鬼宿も来いよ。二人でやったほうが早く終わると思うし」
「おう」
しゅた、と鬼宿が紅蓮の横に降り立った。二人はすっ・・・と構える。
「・・・・本当に・・・・よろしいのですね・・?」
「「どっからでもかかって来い!!」」
「では・・・いきますよ!!」
ばっ、と二人を囲む兵士・・・・即、二人の拳によって何人かが宙に浮いた・・・・。
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