「・・・ひぃ、ぜぇ・・・・はぁ・・・」

息も切れる切れる・・・紅蓮は根性で何とか兵士を撒いてのけた。
こんな危ないところに来て、美朱はどうなっているのだろう。
捕まったのなら牢屋・・・みたいな場所に閉じ込められている可能性が高い。
こんな馬鹿でかい城なんだ、それくらいあるのは当たり前だろう。

「・・・・・よし、行ってみるか・・」

牢屋に行くには、不本意だが捕まるしかあるまい・・万が一牢屋に放り込まれても美朱と一緒に逃げ切る自信はある。
一か八かだ。
紅蓮が兵士の前に姿を見せようと一歩踏み出した時。


「大変だ!!牢屋に放り込んどいた二人が逃げたぞ!!」


・・・・・すぐ隠れた・・・・。

(み・・・美朱のやつっ!!)

せっかくの考えがガラガラと音を立てて心の中で崩れていく。
本っ当に・・・計算外の行動ばかりするのだから・・・っ!!
我が妹ながら天晴れというか・・。

(隠れよ!!)

逃げた二人・・・恐らく美朱とあの癪に障る鬼小僧だ。
気に食わないが美朱はあの男に任せるしかない・・・とにかく今は我が身!!
紅蓮はこそこそと建物の中へ入った。

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