「すんませーん!額に<鬼>って刺青?した男知りませんかー?」

紅蓮の言葉に目の前の町人は首を横に振る。
道行く人々を引き止めては同じ質問をするが、誰も同じ答えだ。

(くっそ〜・・・腹減った・・・。晩飯食ってねぇもんな・・・)

ぐぅ〜・・と鳴るお腹。本当なら今頃家で美朱と夕食をする時間なのに。
図書館へ立ち寄るだけのつもりだったのでお金なんて持ってない。
それは恐らく美朱も同じだろう・・・早く出会ってご飯を作ってあげねば!!

「・・・変な服ね」
「他国の男かしら・・・いい男」

そこら中から聞こえる好奇の声。
その中からある会話の一部が紅蓮の耳に留まる・・・それは求めていた情報。

「さっき小耳にはさんだんだけどよ、変なカッコした娘っ子がここいらウロついてんだと!」
「俺はほかで聞いた!何でも「額に鬼の字のある男」を探してるとか」
「それ本当かああ!?」
「「どわああ!?」」

道端で話している男二人の間に無理矢理割り込む。

「び、びっくりした・・!何だお前!」
「驚かせたらすまん。今あんたらの話してたことだけど・・・その娘、どこにいるか分かるか!?」
「え!?さ、さぁ・・・この街にいることは確からしいけど・・・」
「そっか、ありがとう!」

すげぇ偶然、特大ラッキーだ。まさか美朱がこの街にいるなんて。
・・・でも、あの男を捜してるってコトが気にくわんな・・。
紅蓮はすたすたと街で美朱の探索を始めた。

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