「うぉー、すげー・・・本当に時代劇みてーだ・・」

あの女に教えられた道を真っ直ぐ突っ切って。
山道を下った先にあった城下町に紅蓮はたどり着いた。

(・・・・ろくに礼も言えなかったな・・・)

時間があったのなら、お礼の一つでも出来たが・・・今の自分にはそんな暇が無い。
あの後・・・唯はどうなったのだろうか。
それに、美朱の姿も何処へ行ったのか分からないまま。

(・・・にしても・・・綺麗な姉ちゃんだったなぁ・・)

紅蓮はハッとして首をブルブル横に振った。

(こんな時に何考えてんだ俺は!!)
「ふっ・・・危ねぇ危ねぇ。俺としたことが、美朱以外の女の子にときめくなんざ・・・」

普通の男はそれが正常なのだが・・・。
でも、印象に強く残ったことは間違いない。

「・・・・・・はぁ」

これからそうするべきか?
紅蓮は、あの時見た四神天地書の内容を思い出す。

<朱雀の巫女>
<額に"鬼"の字を持つ少年>

・・・役に立ちそうなワードはこれだけか。
とりあえず、後者を探すことにしよう。
・・・・妹に寄りつく虫はどんな奴もけちょんけちょんにしなくては・・・。
むしろそんな思いの方が強く・・・・彼を見た通行人はその異様な雰囲気に圧倒された・・・。

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