「・・・ここ、どこだよっ・・・!」

さっきまで図書館にいたはずなのに・・・何で、路上にいるんだ?

(・・・そうだ、俺・・・・あの本を開いて、赤い光に飲み込まれて・・・。)

ってことは・・・・どういうこっちゃ!?くそ、何が何だか分かんねぇよ!

「・・・美朱!?唯ちゃん!?」

いつの間にかそばからいなくなった二人を呼ぶ。
夢か、幻か・・・・これは本当に現実なのか?

「キャアァァーーーーッ!!」

(!!この声は・・・・唯ちゃん!?)

突然聞こえた女の悲鳴・・・それが、唯のものだということに気付く。
考えるのも悩んでる暇も無く、声の方へと駆け出した。






―第2話 出会い―






「唯ちゃん!!」

はぁはぁと息を切らして、悲鳴の聞こえた場所に走る。
・・・・そこには、倒れた唯の姿を担ぎ上げる男達の姿があった・・・。

「っ!?こら!!てめーら待ちやがれ!!」
「あぁ?何だお前?」

紅蓮の大声に一人の男が振り返る。

「その女の子を・・・・唯ちゃんを返せ!!」
「は?やなこった・・・異国の女っつーのは高値で売れるんでね。せっかく手に入れたんだ、簡単に渡せるかよ!」
「それとも何かい?兄ちゃんが買ってくれんのか?」

ごろつきのような男達・・・その姿はさらに紅蓮を混乱させた。
皆、洋服を着ていない。
というより・・・時代劇や教科書でよく見る昔の服装をしている。

「・・・・兄貴、あの男も・・・」
「ああ、分かってら。この女の知り合いらしいし・・服も違う。異国から来たんだろう」

子分らしき男が、唯をかつぐ男に耳打ちする・・・紅蓮を指差しながら。
兄貴と呼ばれた親玉らしき男が下卑た笑いを浮かべた。

「・・・そいつも捕まえとけ。よく見りゃ綺麗な顔してるしな・・その手の客に売りつけんのよ」
「はっ!?何言って・・・!」

ザッ、と子分達が紅蓮を取り囲む・・・親玉に向かおうと走る足が止まった。

「へへ・・さぁ、一緒に来てもらおうか」

がたいの良い男の手が、紅蓮の腕を掴む。

「くっ・・・・触んな!!」

その手を無理矢理払い、男の顔面に向かって拳を突き出した。
ガッ、と鈍い音がした。

「ぐえっ!!」

男は鼻血を出してよろめく。

「おら、かかって来いや!!喧嘩だけは強いんじゃーーっ!!」
「ち、畜生・・!」

ムキになって男達が一斉に紅蓮に飛び掛る。

「どっせーーいっっ!!」

ドカッ!!

「げふっ!!」

バキッ!!

「うぐっ!!」

グシャッ!!

「どわぁーーっ!!」

殴る、蹴る、ぶっ飛ばす・・・ごろつき共は数秒でのされた。
どさどさと積み重なったごろつきを上からぎゅっと踏んづけると、蛙が潰されたような声が上がる。

「さぁ・・・その子を返してもらおうか!」

ぱんぱんと手の汚れを払い、親玉を睨みつける。

「ちっ・・・・くそがっ!!」
「あっ、待てっ!!」

ダッと逃げ出す男・・・負けじと撒かれないようにその後を追いかける。
だが予想以上に逃げ足が速い。
紅蓮は舌打ちをした。

(回り道するしかねぇか・・・!)

そう思って、男に追いつきそうな横道を選んで手前の角を右に曲がる。

「・・・はっ・・・・撒いたか・・・」

男は紅蓮の姿が見えなくなったことに気付き、一息ついて奥の角を右に曲がった。
だが、そこで向かいから来ていた誰かと角でぶつかる。

「・・・っ、どこ見てやがる!」

ことが上手く運ばなかったせいか、
イライラしていた気持ちをその人物にぶつけた。
その人物は返答することも無く・・・ただ、剣を抜いた・・・。

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