「・・・また、女子だったか」
「ごめんなさい・・・あなた・・・」

あ、また"また"って言いやがった!畜生、このオッサンめ!
と言うかこれは一体どういう状況なのだろう。
あれから少ししてアタシの視界にはまた一人人物が増えた。
会話から伺うに、この女の人と夫婦なんだろうか・・その男の人はアタシの姿を見て眉間にしわを寄せた。
・・・アンタ、本当に父親かよ・・・。
何だか、アタシの存在は望まれていないみたい。
まるで生まれてきてはいけなかったかのような反応だ。

(ああ、居心地悪い)

何だもう、とりあえず赤ちゃんらしく泣けばいいのかよもう・・!
本当に泣きたい気持ちもごちゃごちゃだ、一体自分に何があってこうなった。

「・・・あなた・・・人柱力にだけは、この子はしないで・・・!」
「そうは言っても、お前のその願いはテマリの時に聞き入れただろう」
「次こそは、男の子を産みますから・・・!お願い・・!」
「しかし・・」

ジンチュウリキ
聞いたこともない言葉、何だろうそれは。

「大国に釣り合うよう、一刻も早く人柱力の力が必要なのだ・・お前の我侭でその時期を遅らせて、認められるわけがない」
「・・・女の子なのよ・・私と、同じ・・あなたのようには強くないの・・!
お願い、この子を守ってあげて・・・!」
「・・・・皆、長男の誕生報告を嬉々として待ち望んでいる・・」
「あなた!」

ひし、とアタシを抱きしめる腕の力が強くなった。
・・・・この人は、本当に優しいんだな、と感じた。

「・・・私ね、考えたわ・・この子は・・カルマは、男の子として育てます・・!」
「!?何を・・」
「・・・次女として、生きてはいけないのなら・・・長男とするしかないでしょう・・?でも、決して人柱力にする為に偽るんじゃない・・
この子の、安全のためよ・・・!きっと、人柱力以外の才能がこの子にはある!」

賭けましょう、
そう女の人は男の人に向かって言い放った。

「・・長男を、産み落とす前に・・・この子に別の才能が見つかれば、この子は人柱力候補からは外してもらう。
見つからなければ・・・・・」
「人柱力にする、というわけか・・」
「・・・」

女の人はとても苦しそうな顔をしていた。

「・・・・わかった・・・ただし、今回限り・・だ。それまでは他の候補を実験体にでもしよう」
「風影様!」
「黙れ。私の命令が聞けぬというのか」

なんだかすごく嫌な予感しかしない。
夢にしちゃ、長すぎるよ。
アタシは何故か不安を抱えるようになっていた・・・。

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