嗚呼、
まだやり残したことだらけなのに

アタシには年が十程離れた妹が
両親が死んでからずっと世話になりっぱなしだった婆ちゃんが

アタシ、
こんな簡単に死ぬのかよ・・?

ふざけんな


ふざけんじゃねえええ!!


信号無視した野郎なんかに何でアタシの命くれてやらなきゃなんねえんだ!
ああ、ああ、もう戻れないだなんて!
なんて運命は残酷なんだ!


(ふざけんなああああ!)
「アァァァ!」

アタシの怒りと共に上がった声はすごく幼いものだった。
一気に白い光が射すアタシの視界。

(え?)
「あう、う?」

何だこれ何がどうなっているんだ?
赤ちゃんなんてどこにもいないのに、赤ちゃんに似た声がする。
視界に入るのは一人の老婆。
ふわ、とアタシの身体が軽くなる・・・いいや、この老婆に持ち上げられている・・?


「・・・は、早く・・・その子の顔を・・・見せて・・」


老婆ではない声が、アタシの後ろから響いた。
その子?その子って・・・アタシ?
いやいやいやいや、アタシは子供扱い受けるような歳じゃない、こないだ成人になったばっかで・・・。
そこまで思考してアタシは固まった・・・・
視界に入った自分の手が、すごく小さくなっている。

(うそ、だろ・・・・)

理解したくない非現実が、突如襲ってきた・・・。


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