チヨ婆の隣にいる俺、
ここに来るまでちらちらと色んな・・忍者っぽい人達の視線が痛かったけれど。
まあそれは親父の命令で一切ここに近寄れなかったからであって、当然のことかと思った。

「久しいな、カンクロウ」

里長、風影・・・・俺の親父の執務室。
本当に久しぶりに見たその顔だったが、前見た時より少しだけやつれているように見える。
原因は・・・あんなことがあってからすぐだ、言わずともわかる。
実の親子とは言え、ここは厳粛な場所だと聞いた。
周りには部下のような人もいるし・・軽々しく うん、と返事しようとした口を閉じ、
はいと言いなおした。

「聞いての通りだ、カルラは我愛羅を産んでまもなく死んだ・・・葬儀は、近いうちに執り行う。
無論、お前も幼くはあるが出席せねばならん」
「・・はい」

重苦しい雰囲気だけが、この執務室を支配した。
はあ、とチヨ婆のはいたため息がいやに大きく聞こえる。

「・・で、件のその子はどこにおるんじゃ?なかなか会う機会もないじゃろうし・・どのみち三人はあとで対面させるんじゃろ?」
「ああ。今は夜叉丸に世話をまかせてある・・」
「適役といえば適役じゃな」

チヨ婆と親父の声が何度か行き来し、それからまたこちらに目を向けた・・。

「チヨは残れ、話がある。エビゾウ、カンクロウを連れ夜叉丸の元へ・・テマリ達は既に向かわせてある」
「ほいほい、承知じゃ。行くぞカンクロウ」
「え、うん・・・はい!」

会話の意味もわからないままに、俺はエビゾウ爺に手を取られ執務室をあとにした。


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