というより、
家庭事情複雑すぎんだろこの家・・・・！
母さんに抱かれながら昨日の出来事を思い出してみる。
望みもしない生まれ変わりを神様から強制されたアタシは、
新しく生まれたこの世界でも望まれていなかったらしい。
・・・・事情は、よく理解できていないが、とりあえずアタシは女として生まれてはいけないみたいだった。
そういえば、時代劇で見たことがあるな。
どこかの国のお姫様が産まれた時、女じゃ跡が継げないからって性別を偽って育てられるってやつ。
まるで他人事、けど本当にアタシの世界とはかけ離れたところだったからそう思うのも仕方ない。
そう、何だか知らないけれど生まれ変わったここは、
アタシの住んでた"日本"とは全然違う国。
何か建物からして全然違うし・・・しかも、
アタシが産まれた家は少なからずお偉いさんの家系のようだ。
ジンチュウリキ？
って言うのが、何らかの後継者なのかな？
んでもって、父さんはアタシが男の子だったらジンチュウリキにする、みたいなこと言ってたから・・・。
まさしく、その時代劇のお姫様みたいな非現実にアタシは巻き込まれてしまったってことか。
(ああもう)
これからこちらの世界で過ごさなければならないことは確定事項のようだ。
未練たらたらなのに、まだ元の世界でしたかったこと一杯あったのに。
こん畜生め！
アタシはどこに向けていいかわからない怒りを、とりあえずため息一つにおさめておいた。
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