「紅!!」
「先生ーっ!!!」
どさ、と紅の身体が地面に崩れ落ちる。
その身を鮮血に染めながら。
「はは、だから女はいい。弱くて傷つけやすくて、殺しやすい」
「てめぇ・・!!」
ぐいっとその身体を無理矢理起こし、紅の首筋にクナイを突きつけた敵の姿。
結界の中から敵意を剥き出しにしていたキバがいのいちばんに青ざめた。
「見たところ、この女が結界張ってたみてぇだなあ。残念、もう気絶してらあ」
術者の気絶。
それは、術の解除を意味するもの。
「っ、しまった・・!」
「お前達、逃げろ!結界が解けたらすぐにだ!」
紅が人質にとられる事態なぞ誰も予測できていなかった。
もちろん、生徒達も上忍達も。
だが、ガイの言葉に耳を向ける余裕がなく・・生徒達はただ、人質にとられた紅をその瞳に映す。
ぱっ、と結界が一瞬にして空気に溶け、生徒達を外部へと晒し出す。
「うちはの血に、九尾のガキ、どっちも捨てがてぇなあ」
「さぁ・・おとなしく、こちらに来てもらおうか!!」
ナルトの前に、一瞬で姿を現す敵。
間に合わない。
捕まっちまう・・・!
「させないよ」
キイン・・・
大きな金属音が、敵と誰かの間で響きあう。
白銀の刀、
それが、ナルトへ近付いた敵の攻撃をはじき、同時に貫いた。
「ぐお・・・」
「・・・させないよ」
刀を構えたその姿に、敵はおろか味方でさえも目を疑った。
「・・・ヒナ、タ・・・?」
「ナルトくんには、」
「指一本、触れさせない」
そして、白の斬撃が一閃舞った・・。
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