その日の任務状況は、最悪としか言えなかった。
中忍試験も終了し、少しずつ木ノ葉も復興の兆しを見せつつあったその日。
上忍は全てSランクやSSランク任務に狩り出され、
まだ下忍であっても、その実力は中忍以上と評価を受けた者が多い今年度のルーキー達を含めた下忍勢が人手不足によりAランク任務を任されたのだ。

「くっ・・・こいつら・・!」
「キリがないねぇ、アスマ、紅、ガイ、まだ余力はある?」
「・・数が多すぎるわね・・少し、チャクラを使いすぎたわ・・!」
「むう・・・突破口でもあればよいのだがな・・だが弱気になどなれんぞ!」

それぞれの班の上忍達が対峙するは、他国の忍。
大蛇丸が最近起こした騒ぎに便乗してだろうか、
今回の任務は触発された残党共の討伐だったのだが・・予想以上の数に混乱を隠せなかった。
担当する子供達も、最初は戦闘に参加してこそいたが敵の増援により紅の張った結界の中に閉じ込められている状態だ。

「先生ー!」
「くっそお!俺ってば、見てるだけなんて・・!」

ばんばんと、結界を内から叩いてもびくともしない。
誰か、
誰か先生達を助けてくれ、と。
心から願う生徒達。
先生が強いことは知っている、けれどこの数相手じゃ不安にもなってしまう。

「さっさと殺しちまえばいいのによ」
「無茶を言うな、予想していたとは言え上忍四人相手に時間がかかるのは当然だろうが」
「へへっ・・まあ俺達ぁ、そこの化け狐さえ頂ければ十分なんだがな!」

敵の忍のその言葉に、
四人が一瞬揺らぎを見せた。
下忍の視線も彼に突き刺さり、何より彼自身も、目を見開いて。

(こいつら、真の目的はナルトか・・・!)
「結界が解けるのも、時間の問題ってとこだろう」
「俺らの国はつぶれ掛けよぉ・・だから、力ある奴をさらって大蛇丸に献上しろって命令が下されたわけだ」
「人柱力・・・木ノ葉のそれは特に強大な力を持つと聞く」

「そいつをよこしなあ!!」

より強まる攻撃に、
カカシの土遁壁が数秒持たずに崩される。

「まぁ、べらべらと喋ってくれちゃって・・余裕だねえ」
「はっ、てめぇらはここで全員死ぬんだよ!ガキも残らずなぁ!」

チャクラの消費をおさえるため、クナイのみで応戦するカカシ。
こりゃ、やばいかもね。
紅の悲鳴が響いたのはそう思った直後だった。


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