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正直な彼女の続編
私達の夏は終わった。11対6という結果で。でも私達はここで立ち止まってなんかいられない。私たちはまだ1年生で、今年がラストチャンスだったわけではない。まだ私たちには道がある。だから前に進む為に練習量を増やした。来年こそは甲子園に行く、それを実現させるために。
久しぶりのオフ。気分転換にバッティングセンターに行った。オフだからといって部屋にこもっているのは気分が落ち込むし、何よりやることがなくて暇だから。
100円玉を何枚か持ってバッターボックスに入ろうとしたとき見知った顔を見つけた。以前にも会ったことがある、確か名前は山ノ井さん。またこうして同じ場所で会うなんて、運命の出会いみたい。
「また、会ったね」
「そうですね、運命の出会いみたいです」
つい思ったことを口にしてしまった。笑顔でなんて大胆なことを言ったのだろうと、全て口にしてから恥ずかしくなってきて頬が熱くなる。そんな私をみて山ノ井さんは何故だか優しい表情で私を見つめて口にした。
「じゃあ、まずメールから始めてみる?」
メールから始まる恋物語