愛しさは毎日溢れている

▽カカシ視点


お酒をかなり飲まされたらしいサクラは同期のナルトとサスケに支えられて帰ってきた。完全に酒に呑まれてしまったサクラを見て怒りがこみ上げてくる。酒の席でこんな隙だらけな姿を見せるなんて一体何を考えているのか。俺の無言の笑みの理由に気づいたらしい彼らは「先生あとは任せたってばよ!」と一目散に逃げ出していく。

「あのガキ共…」

本当は追いかけて仕置きの一つや二つしておきたいところだがべろんべろんに酔っ払ったサクラをほっとくわけにはいかない。腕に抱いたサクラをお姫様抱っこに抱え直してベッドに連れて行こうとした時サクラがゆっくりと目を覚ました。

「あー、せんせーだー」

呂律の回らない喋り方、可愛いと言えば可愛いがここまで飲んでくるのは感心しない。こんなに酔っ払っている状態で襲われでもしたらどうするつもりなのか。普段の彼女でさえ一人にさせておくのは不安だというのに…俺の不安を知らないで呑気なもんだな。

「サクラ、今日はもう寝なさい。こんな状態じゃお風呂入れないでしょ」
「ん、んー…じゃあ、せんせ一緒に寝よ…?」

瞳をとろんとさせ首を傾げてそう誘ってくるサクラ。本当にこの子は…これだから一人にさせるのが怖い。あっという間に誰かに掻っ攫われてしまいそうで。こんな風に可愛く誘惑されて何もしない男なんているはずがない。俺だけに見せるなら構わないけど、サクラはきっと無自覚に相手の心をつかんでしまう。油断も隙もあったもんじゃない。

「…サクラ、言ってる意味分かってる?」
「んー…?一緒にごろごろしよ?」

全く分かってない…今後は俺のいないお酒の席に行かせるのはやめよう。もし飲みたいと言うなら俺の同行が絶対条件だ。俺のいないところで飲ませるのは絶対に却下、俺が安心できない。俺の大切な女の子は俺以外に渡しはしない。誰にも触らせない。
ぼーっと俺を見つめるサクラの頬と額にキスをした俺はサクラをベッドに寝かせ、そして自分も横になった。

「今日はもう休みなさい。先生も一緒に寝るから」
「うん…分かった」

優しく頭を撫でてそう口にすればサクラは安心したように笑ってゆっくりと瞼を閉じた。可愛らしい寝顔に我慢できず俺はもう一度頬と額にキスをした。そしてサクラのその可愛らしい寝顔をしばらく堪能した後、俺も深い眠りに落ちていった。
翌朝目を覚ましたサクラが俺がしたのと同じように頬と額にキスをして俺を驚かせるのは数時間後の話。


愛しさは毎日溢れている

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#RTされた数だけ好きなCPにキスハグさせる
ハグしてないじゃんってツッコミは無しでお願いします。RTありがとうございました!


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