僕の可愛いくて小さな恋人

▽ヤマト視点


僕の名前を嬉しそうに呼ぶ部下のサクラはとても可愛い。サクラよりも一回り歳が離れている僕が言うのは少し危ない発言に聞こえてしまうだろうが、事実サクラは可愛いんだ。

「ヤーマト隊長!」

うさぎのようにぴょんと跳ねて僕の背中に飛びつくサクラ。振り向いて頭を撫でてあげれば今度は猫のように頬をすり寄せてくすくすと笑う。その度に綺麗な桜色の髪が左右に揺れて僕の視線を奪った。
「何か用かい?」そう尋ねれば首を小さく振り僕の名前を再び呼ぶ。用などはなく、ただ僕の名前を呼んでいるだけらしい。サクラはふわふわと可愛らしい笑みを浮かべて僕の耳元に唇を近づける。何を口にするのかと思えば耳を甘噛みをされ、そして甘い声で囁いてきた。

「だいすきです」
「、っ」

突然紡がれた愛の言葉に驚き耳を抑えれば、してやったりといった表情のサクラ。やられた…。まだ子供だと油断していればこうして突然驚かされることが多々ある。可愛らしい彼女の悪戯のターゲットはいつも僕だ。不満なわけではない、寧ろ嬉しい。他の男じゃなく僕をターゲットに選んでくれているのだから。

「大人の男に悪戯することがどういうことか分かっているかい?」

やられたままというのは何となく気がすまず、優しくサクラを抱き寄せてそう囁いてみれば彼女はふわふわと笑いながら頷いた。

「ヤマト隊長になら悪戯されてもいいですよ?」

…っ。ああ、本当にサクラには敵わない。僕の可愛い可愛い小さな恋人。これから先どんな悪戯で僕を驚かせてくれるのかとても楽しみだ。


僕の可愛いくて小さな恋人

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『緑×桜=…』の桐島希葉さんへ
相互ありがとうございました!


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