永遠に、あなただけを

▽サクラ視点


女の子には誰だって夢がある。男の子とお付き合いしたら、何をしたい、どこに行きたい、ほかにもたくさん。わがままにもなるし、欲張りにもなる。それに、ヤキモチだってたくさん焼いちゃうわ。女の子は扱いにくいの。優しくしすぎるのは駄目、逆に不安になる。けれど厳しすぎるのは嫌、疲れちゃうもの。愛するよりも、愛されたい。たくさんたくさん、愛を貰って綺麗になっていくの。めんどくさいって思うかもしれない、でも女の子ってそういう生き物なのよ。
そんな女の子である私を、サスケ君はどう思ってる?

***

「サスケ君、私との結婚考えてくれてると思う?」

あまり愛を口にしてくれないサスケ君に私は不安になり何度か別れそうにもなったけど、何だかんだ言って一緒に過ごしてきたこの数年間。そろそろ結婚を考えてもいい時期じゃないかと思い始めた私は思い切っていのに相談してみた。いのは熱いお茶をずずっとすすった後、綺麗な三食団子を頬張り私を見た。そして呆れたように笑う。

「あんたねぇ、サスケ君と付き合ってもう3年でしょ?」
「そうだけど」
「そんだけ長くあんたと付き合ってんのよ?考えてないわけないでしょ」

いのはそう口にした後残りの団子を頬張った。食べないならちょうだいと、返事もしてないのに私が注文した団子まで奪いおいしそうに口に運ぶ。幸せそうに笑いながら。
ここ数年でいのはすごく綺麗になったと思う。同じ中忍の男の人と契りを交わしてからは、さらにだ。日に日に綺麗になっていくいのを見て、私は心底うらやましいと感じていた。私も少しは綺麗になったのかな、なんて最近鏡を見てはそう思う。

「心配しなくても大丈夫よ。サスケ君はきっとあんたを幸せにしてくれる」
「いの…」
「私もあの人に幸せにしてもらう。だからあんたもサスケ君に幸せにしてもらいなさい!一緒に幸せになるのよ」

今までで一番綺麗に笑ったいのが言った。幸せになろう、と嬉しそうに。

***

私が帰宅するのを待っていたかのように、珍しくサスケ君が玄関で出迎えてくれた。
いつものようにむすっとした表情だけれどどこかそわそわしながらただ一言「おかえり」と口にする。
たったそれだけの言葉でも私からしてみればうれしくて、思わずにやけながら「ただいま」と返事をした。

「少し話がある」
「うん?どうしたの?」
「大事な話だから部屋に入ってから話す」

少し照れたような表情でそう告げるサスケ君に私は一つの小さな考えに辿り着いた。
それはとても幸せなもので…、私とサスケ君が仲良く寄り添って歩んでいく未来だった。 途中から一人、また一人と増えて四人仲良く暮らしていく、新しい人生。 もしかしたらそんな未来に繋がる出来事が今から起こるんじゃないかと。私は密かに期待して胸を躍らせた。

そして彼は私の期待に応えてくれた。

「これからも俺の傍にいてくれないか」

頬をほんのり色づかせ、恥ずかしさを紛らわすためなのか命令口調で彼はそう告げた。うれしくて涙が止まらなかった。 サスケ君と私が歩んでいく未来にはいったい何があるんだろう。 笑ったり怒ったり、悲しんだり憎んだり。 毎日が必ず楽しいとは限らないけれど、それでもきっとサスケ君がいればどんなことも乗り越えられる気がした。 どんな困難が待ち構えていようと、私はサスケ君と共に歩んでいくと決めた。 いのが言ったようにサスケ君は私を幸せにしてくれる。たくさん笑顔を引き出してくれる。 世界中どこを探してもサスケ君以上の存在なんていない。きっと彼だけが私を幸せにできるんだと。

「幸せにしてね、サスケ君」
「ああ」
「愛してる」
「俺もだ」


永遠に、あなただけを
(あなた以外、いらない。あなただけを愛している)

参加させて頂きました!ありがとうございました!



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