女の子だって欲情するのよ

▽少し注意


―へえ、そう。この僕に逆らうんだ。

冷酷な瞳でハルを見下ろす彼が身に纏っているオーラは驚くほどに冷たい。思わず身震いするハル。彼をここまで怒らせてしまった原因はハルにあるのだが、ハルは自分に非があることを決して認めなかった。

「ハルはただ明るいところでするのが嫌なだけで、別にすること自体が嫌とは言ってない…です」

そう反論しているうちに、先程の出来事が鮮明に思い出されハルは恥ずかしくなり口ごもる。ハルの精一杯の言葉だったが雲雀の機嫌は悪くなる一方だ。こうなっては機嫌をとることは容易ではない。彼本人の要望以上のことをするしか、方法はないのだ。

「三浦、おいで」

反論は許さないというほど低い声音にハルは大人しく従うしかなかった。雨に打たれて寒さに凍える捨て猫のように瞳を潤ませ、若干震えながら恐る恐る雲雀の下へ足を進める。そしてあと50センチというところで突然雲雀はハルの腕をつかみ思い切り自分の胸に抱き寄せた。倒れるようにして雲雀の胸に飛び込んだハルは、雲雀の胸にぶつけ赤くなった鼻をさすりながら雲雀を見上げる。雲雀は鼻が赤くなった何となく間抜けなハルの顔を見て小さく笑ってから、そっとハルの唇をなぞる。

「ひ、ばり、さん?」
「本当に、したくないの?」

どこか色っぽく笑う雲雀にハルは何も言えなくなった。先程まであれほど嫌だったはずなのに、なぜか今は雲雀が欲しくてたまらなくなっていた。体は熱を持ち始め、秘所も彼を求めて潤い始める。嫌、とは言わなかった。否、言えなかった。体も心も彼を欲し始めているのだから。

「…したい、かもです」
「いい子だ、ご褒美をあげるよ」

そっと唇をなぞっていた指を唇から離して、己の唇を重ねた雲雀。ハルの吐息をからめとるように何度も角度をかえて唇を重ね続ける。息苦しさよりも快感がハルの体を支配していた。うっとりと雲雀を見つめるハルに雲雀は色っぽく微笑みかけ、静かにハルを床に組み敷く。そしてハルの白い肌を晒すため、優しくブラウスに手を掛けた。


女の子だって欲情するのよ


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