祓魔塾に姿を現したのは、燐達と同じ制服を身にまとったアマイモンだった。彼はほんの少し微笑んで1日よろしくお願いしますと律儀に挨拶して、しえみと燐の間に割って入ってきた。そして満足そうな笑みをしえみに向けた。どう反応していいか分からず困った顔をするしえみの頬に彼は突然唇をつけた。

「ア、アマイモン、君?!」
「しえみ、何でそんなに顔が赤いのですか?」

分からないと言った表情で首を傾げるアマイモンにしえみは顔を逸らす。するとその逸らした方へアマイモンが移動して、しえみを見つめる。また逸らせば彼はそちらへ移動する。むむと頬を膨らませるしえみを見たアマイモンは「その顔可愛いです。もう一度見せて下さい。」と言ってどこからかカメラを取り出した。しえみはついに顔を伏せてしまった。

そのときやっと燐達が状況の整理ができて、アマイモンを問い詰める。

「アマイモンどういうことだ!何で制服着てんだよ?」
「さっき言ったとおりです。1日体験です。本当の目的はしえみに会うことですが」

アマイモンは表情一つ変えずにそう言ったが、燐の頭の中は先ほどアマイモンがしえみの頬にキスをしたことばかりでいっぱいだった。俺もしたことないのに…とぶつぶつ文句を言っていると後ろから志摩の声がした。アマイモンと燐がそちらを見ると、志摩はにやりといやらしい笑みを浮かべる。

「奥村くん、ぼやぼやしてたら杜山さんとられてしまうで?」
「なっ?!う、うるせえ!お、俺は、べべ別にしえみが好き、とかじゃなく、て…!」
「…奥村燐は、しえみが好きじゃないんですか?それは好都合です」

アマイモンは小さく笑った。一瞬だったが確かに表情がやわらかくなったのを見た志摩達は目を丸くして驚く。こんな表情もできるんだな、と。アマイモンはそんな彼らを気にせず、しえみの手の甲に口付けて、「この間の続きをしましょう」と言った。彼の言うこの間、というのは合宿の時の誓いの言葉のことだろう。

「誓いのキス、まだ交わしてません。しえみ、愛してます」

そして、しえみの唇に己の唇を重ねようとした、その瞬間燐がしえみの腕を引っ張った。もうそのときにはしえみは燐の腕の中にいた。しえみはわけが分からず、首を傾げる。燐は首を傾げるしえみの頬にキスをした。だんだんと赤く染まっていくしえみの頬。つられるようにして燐の頬も赤くなっていく。

「俺もしえみが好きだ。ぜってぇ、お前には渡さねえからな!」
「…宣戦布告、ですね。ボクも渡しません」


青い春がやってきました
(何やあいつら…ここが教室だってこと忘れとるんか)
(ははは、青春やー)
(志摩さん年寄りくさいですよ)


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