▽珠紀視点
ああ、この胸の痛みどうしよう。貴方にしか治せない、この痛み。でも鈍感な貴方のことだから、私の気持ちには気づいてないだろうけど。
(苦しいほど、愛してるの)
「おーい?おーい!珠紀!」
「んあ?」
時はお昼休み、清乃ちゃんとお昼を食べているときのこと。拓磨は、何度も私の名前を呼ぶ。私が振り向くと手招きをした。私は食事中なのに、とぶつぶついいながらも拓磨の言うことには大人しく従ってしまう。好きだから、どんな状況であろうと相手の言うことを聞いてしまうのだ。何?と首を傾げると、何かを握った手を私の前に突き出してきた。
「なにこれ?」
「やる」
短くそう答え開いた手のひらには、可愛らしいハートのピアスが乗っていた。それは私が以前から欲しかった、雑誌で人気急上昇中のもの。あまりにも人気が高くて、今ではどこのお店に行っても売り切れ状態のはず。
「これどうしたの?」
「お前が好きそうなデザインだったから買った。…3倍返ししろよ?」
拓磨、貴方はどこまで私の心を奪っていくの?私にこれ以上優しくしないで。…私馬鹿だから勘違いしちゃうよ。拓磨も私のこと好きなんだって思ってもいいの?苦しい、苦しいほどに貴方を愛しているの。
胸が痛いのアイラブユー
title by 無限ノート
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